批評ひひやう)” の例文
此方こちら焚火たきびどころでい。あせらしてすゝむのに、いや、土龍むぐろのやうだの、井戸掘ゐどほり手間てまだの、種々いろ/\批評ひひやうあたまからかぶせられる。
億圓おくゑん正貨せいくわたことは、輸入超過ゆにふてうくわ日本にほんつては出來過できすぎであると批評ひひやうがあるが、それはまさしく左樣さやうであらうとおもふ。
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
つて、小説せうせつ文學ぶんがく批評ひひやう勿論もちろんことをとこをんなあひだ陽炎かげろふやうまはる、はなやかな言葉ことばりはほとんどかれなかつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
竹村たけむらはそのことについて、その当時たうじべつ批評ひひやうがましい意見いけんをもたうとはおもはなかつたけれど、ずつとのちになつて振返ふりかへつてみると、彼女かのぢよかれ作品さくひん実際じつさい手紙てがみによつて
彼女の周囲 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
「けれど、どうもみゝ長過ながすぎるね」と、つくづくみてゐて批評ひひやうしました。
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
其時そのとき宗助そうすけ何時いつもの調子てうしで、むしおだやかに、おとうとこといてゐたが、いてしまつたあとでも、べつこれといふ眼立めだつた批評ひひやうくはへなかつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
主人しゆじん宗助そうすけもつてある程度ていど鑑賞家かんしやうか誤解ごかいした。ちながら屏風びやうぶふちけて、宗助そうすけおもて屏風びやうぶおもてとを比較ひかくしてゐたが、宗助そうすけ容易ようい批評ひひやうくださないので
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)