手帳てちやう)” の例文
しか時計とけい奈何どうしたらう、れからポツケツトにれていた手帳てちやうも、卷莨まきたばこも、や、ニキタはもう着物きもの悉皆のこらずつてつた。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
おなじ手帳てちやうに、そのときのお料理れうりしるしてあるから、一寸ちよつと御馳走ごちそうをしたいとおもふ。
火の用心の事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
宗助そうすけくるまなかそのひと名前なまへ番地ばんち手帳てちやうめた。さうしてつぎ同僚どうれう手紙てがみつてわざ/\まはみちをして訪問はうもん出掛でかけた。宗助そうすけふところにした書状しよじやうそのをり席上せきじやうしたゝめてもらつたものであつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
まくらべに時計とけい手帳てちやう置きたるにいまだしくるあけがたの月
つゆじも (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
手帳てちやう留置とめおかれたり又若い者の喜七に向はれ其方生國しやうこく何國いづくにて年は何歳なるやと尋ねらるゝに喜七私し生國は下總國行徳ぎやうとくにて年は十九歳也と答へ夫れより越前守殿は松三郎金藏下男彌助に至る迄いづれも生國歳等としとう
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
手帳てちやう獨樂こま
歌時計:童謡集 (旧字旧仮名) / 水谷まさる(著)
わたしは、先生せんせい名古屋なごやあそびのときの、心得こゝろえ手帳てちやうつてゐる。餘白よはく澤山たくさんあるからといつて、一册いつさつくだすつたものだが、用意よういふかかただから、他見たけんしかるべからざるペイヂには剪刀はさみはひつてゐる。
火の用心の事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
手帳てちやうのけいのなかほどに、ぜんづ、としゆがきがしてある。
火の用心の事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)