成敗せいはい)” の例文
王政維新おうせいいしん成敗せいはいは内国の事にして、いわば兄弟朋友ほうゆう間の争いのみ、当時東西相敵あいてきしたりといえどもその実は敵にして敵にあらず
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
成敗せいはいは実に世の眼には見えないものである。如何いかんとなれば当人の標準とする事と、世の標準とする事とたいそう違う。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
成敗せいはいを度外において、白雲の自然にしゅうを出でて冉々ぜんぜんたるごとき心持ちで一局を了してこそ、個中こちゅうあじわいはわかるものだよ
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「二番の室でも、これをやっている、成敗せいはいともに我々が引受けるから、まあまあ安心して寝て居給え」
大菩薩峠:13 如法闇夜の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
判斷はんだん成敗せいはいさすに其人の年れい月日時を聞てを立かんがへをほどこし云ふ事實にかみの如く世の人の知る處なり扨翌日にも成りければ靱負ゆきへは其身の吉凶きつきようを見ることゆゑ沐浴もくよくして身體しんたい
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
転変てんぺんはげしきはしと某老人ぼうらうじん申候まうしそろ其訳そのわけ外充内空ぐわいじうないくう商略せふりやくにたのみて、成敗せいはい一挙いつきよけつせんとほつそろ人の、其家構そのいへかまへにおいて、町構まちかまへにおいて、同処どうしよ致候いたしそろよりのことにて、今も店頭てんとううつたかきは資産しさんあら
もゝはがき (新字旧仮名) / 斎藤緑雨(著)
わずか一行の数字の裏面りめんに、僅か二位の得点の背景に殆どありのままには繰返しがたき、多くの時と事と人間と、その人間の努力と悲喜と成敗せいはいとがひそんでいる。
イズムの功過 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
とらわれて東京に護送ごそうせられたるこそ運のつたなきものなれども、成敗せいはい兵家へいかの常にしてもとよりとがむべきにあらず、新政府においてもその罪をにくんでその人を悪まず
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
あづかる者ゆゑ天下の條目でうもく成敗せいはいの道も少は心得つらんが中にも重きばつといふは婚姻こんいんさまだげの罪科ざいくわなり之をばおもく爲時は死罪しざいの刑に處する可し又かるくなす其時は遠島とする制規せいきなるが其方之等を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
また兵站へいたんを考えれば、二日ふつか以後の食糧は、どこに求むべきか当てもつかず、冬が近づくが、兵士にくつのなき者が数千人、この秋風をしのぐに毛布なき者が数万人である。しかしいくさ成敗せいはいは天にる。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
一はもって同行戦死者の霊をちょうしてまたその遺族いぞくの人々の不幸不平をなぐさめ、また一にはおよそ何事に限らず大挙たいきょしてその首領の地位に在る者は、成敗せいはい共にせめに任じて決してこれをのがるべからず
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
彼は成敗せいはいよりも任務の遂行につとめた
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)