憤激ふんげき)” の例文
余輩よはいはんとほつするところのものは』と憤激ふんげきしてドードてうひました、『吾々われ/\かわかせる唯一ゆゐいつ方法はうはふ候補コーカス競爭レース西洋せいやうおにごつこ)である』
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
ワルシャワの陥落に憤激ふんげきして作曲したと言われるハ短調の「革命練習曲(作品一〇ノ一二)」は、やはりコルトーのが良いが
楽聖物語 (新字新仮名) / 野村胡堂野村あらえびす(著)
艶子は、背後に恐るべき抱擁ほうようの気配を感じたらしく、つと立上って、二三歩窓の方に身をかわした。彼女のほお憤激ふんげきの為に赤らみふくれていた。
神話は計画的な大量の嘘言ですらある。要するにそれは人心を魅惑みわく憤激ふんげきせしめるような、美しい言葉や強いスローガンをもって語られるのである。
政治学入門 (新字新仮名) / 矢部貞治(著)
暴民ぼうみんどもだ。彼らのいっていることから考えて、彼らを暴民と呼んでさしつかえないだろう、たとえ彼らが憤激ふんげきすべき理由を持っているにしろ……。
海底都市 (新字新仮名) / 海野十三(著)
る/\うち長蛇ちやうだ船列せんれつ横形わうけいれつへんじて、七せき海賊船かいぞくせん甲板かんぱんには月光げつくわう反射はんしやして、劍戟けんげききらめくさへゆ、本艦ほんかん士官しくわん水兵すいへい一時いちじ憤激ふんげきまゆげた
癲癇病とは何の事一たい何處から聞て來たそし和主てまへは何處の者だサア云聞んと老婆の憤激ふんげき和吉はくるしいきさう被仰おつしやられては一言も御座りませねば申し升が何卒此手を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
憤激ふんげき! 興奮こうふん! 平素阪井の傲慢ごうまんや乱暴をにがにがしく思っていたかれらはこの際徹底的てっていてき懲罰ちょうばつしようと思った。二時の放課になっても生徒はひとりも去らなかった。
ああ玉杯に花うけて (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
それによって起る肉体の異様なる衝動も感情の憤激ふんげきもことごとく彼のくちもとにきっと結び止められたまま表面の彼なるものは常の信長とそう変らない程に平静を保ちながら
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
が、かれも大事をひかえて分別ふんべつある士、そうやすやすと憤激ふんげきじょうをおもてにあらわしはしなかった。しかし、わざとしずかにきりだした低声は、彼の自制を裏ぎってかすかにふるえていた。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
その時の仮りの法王が権をもっぱらにして人民をしいたげるという場合に、人民が憤激ふんげきして内乱を起すことがありますけれども、法王が成長して実際その国のまつりごとを執るに当っては、多少困難な事が起っても
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
「やはり政党の腐敗ふはい憤激ふんげきしてのことでしょうか。」
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
私は憤激ふんげきの極に達した。時間の推移と共に、私の頭は痛みを加え、胸は張りさけんばかりになった。
大脳手術 (新字新仮名) / 海野十三(著)
甲子太郎の憤激ふんげきは、當てもなく爆發し續けるのです。
かれは顔をまっかにして、憤激ふんげきしている。どなり散らしたいのを、一生けんめいにがまんしているという顔つきで、針目博士の一挙一動からすこしも目をはなさず、ぐっとにらみつけていた。
金属人間 (新字新仮名) / 海野十三(著)
道夫の憤激ふんげき
四次元漂流 (新字新仮名) / 海野十三(著)