惡黨あくたう)” の例文
新字:悪党
いとなみ其後罷り歸り候節中仙道熊谷土手にて越後浪人新藤市之丞と申す夫婦のもの惡漢わるもの取卷とりまかれ難儀致し候を見るに忍びず某がし惡黨あくたう追散おひちらし夫婦を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
惡黨あくたうで、お國を奪られた怨みを忘れ難く、この計畫を命取り仕事にまで押しあげたのは詮方せんかたもないことでした。
カピ妻 では、其方そなたは、ころしたたう惡黨あくたうまだながらへてゐくさるのを、然程さほどにはおきゃらぬな?
人達ひとたち不奉公ぶほうこうわたしこゝろ反射はんしやだとさとつたからのこと世間せけんてもなくひとくるしめる惡黨あくたうもなければ、神樣かみさまだとて徹頭徹尾てつとうてつびわることひとなげきをせるといふことあそばすまい、何故なぜならば
この子 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
すゝぐ事感ずるに餘りあり又橋本町家主八右衞門并に駕籠舁かごかき權三助十其方共彦三郎が孝心を感じ證人となりて惡黨あくたう
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ヂュリ (傍を向き)惡黨あくたうひとではおほきな相違ちがひぢゃ!……神樣かみさま、あのものゆるさせられませ! わたしは眞實しんじつゆるしてゐます。とはへ、おもすと、かなしうてなりませぬ。
おもへばわたし惡黨あくたうひとでなし、いたづらもの不義者ふぎものの、まあなんといふ心得違こゝろえちがひ、とつじつてあゆみもやらず、横町よこちやうかどふたまがりていま我家わがやのきえぬを、ふりかへりてはあつなみだのはら/\とこぼれぬ。
うらむらさき (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
惡黨あくたうと云ふ事とくに知れて有るぞ又々吟味せば舊惡有るべし苦痛くつうせぬうち白状致せと申さるれども人殺夜盜の覺えなしといふゆゑ入牢じゆらうさせおき嚴敷きびしく拷問がうもんに及びしかど白状せぬにより妻子を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
惡黨あくたう! なん眞中まんなか飛込とびこんだんぢゃ足下おぬしは! 足下おぬしうでしたでやられた。