心附こゝろづ)” の例文
おやまアこれ御座ございます、つひわたしはうでも心附こゝろづきませんでした。客「ナニこれさへあれば大丈夫だいぢやうぶ。とつてしまつた。 ...
(和)茗荷 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
さりながら飼鳥かひどり遊戲あそびにあらざるを、なんぢ心附こゝろづかざりけむ、飼鳥かひどりこのものみなその不仁ふじんなるをらざるなるべし、はじめよりしりぞけてもちゐざらむはることながら
十万石 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
おつぎは勘次かんじ煙草たばこはないので一寸ちよつと煙草たばこをとることにまでは心附こゝろづかなかつた。野田のだでは始終しじうかん/\と堅炭かたずみおこしていくらでもたぎつてよるでも室内しつない火氣くわきることはないのである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
幼君えうくん御機嫌ごきげんうるはしく、「よくぞ心附こゝろづけたる。かねてよりおもはぬにはあらねど、べつしかるべきたはむれもなくてやみぬ。なんぢなんなりとも思附おもひつきあらばまをしてよ。」と打解うちとけてまをさるゝ。
十万石 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
シロクシナスを牢舎らうやれたのは、あやまり、第一国内こくないで一とう学者がくしやといふ立派りつぱの人物を押込おしこめて置くといふは悪かつた、とお心附こゝろづきになりましたから、早速さつそくシロクシナスをゆるして
詩好の王様と棒縛の旅人 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
「あゝ……」と途端とたんに、をんな心附こゝろづいたらしく、手紙てがみけて
艶書 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)