御金おかね)” の例文
坂井さかゐさんやうに、御金おかねがあつてあそんでゐるのが一番いちばんいわね」とつた御米およね言葉ことばいて、小六ころくまた自分じぶん部屋へやかへつてつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
申請御金おかね會所くわいしよにて金子受取參るべしと云遣いひやりけるにぞ吉兵衞はかの書付を懷中くわいちうなしこゝ彌々いよ/\決心し兼て勝手かつてを知し事なれば御勘定ごかんぢやう部屋へやに到り右の書付かきつけを差出ければ役人は是を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
本當ほんたうにね。にいさんにさへ御金おかねがあると、うでもしてげること出來できるんだけれども」と、御世辭おせじでもなんでもない、同情どうじやうへうした。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
御金おかねは」と云つた。見ると、あひだにはない。三四郎は又衣嚢ポツケツトさぐつた。なかから手摺てずれのした札をつかした。女は手をさない。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
それが出來できないんだつて。見積みつもつても兩方りやうはうせると、十ゑんにはなる。十ゑんまとまつた御金おかねを、いまところ月々つき/″\すのはほねれるつてふのよ
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
心配しないでもい。よろしくねがつて置けば構はない。所が一番仕舞になつて、御金おかね此所ここにありますが、あなたにはわたせませんと云ふんだからおどろいたね。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
いえ、揚足あげあしを取ると思ふと、はらが立つでせう。左様そんなんぢやありません。それ程えら貴方あなたでも、御金おかねがないと、わたし見た様なものにあたまげなけりやならなくなる
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
それ差支さしつかへないんですよ。喧嘩もなにおこらないんだから。けれどもね、そんなにえら貴方あなたが、何故なぜわたしなんぞから御金おかねりる必要があるの。可笑おかしいぢやありませんか。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
「だから遊んでないで、御つくしなさいな。貴方あなたは寐てゐて御金おかねらうとするから狡猾よ」
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
御金おかねは、彼所あすこぢやいたゞけないのよ」と云つた。三四郎は落胆がつかりした。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)