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建具
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たてぐ
ふりがな文庫
“
建具
(
たてぐ
)” の例文
それも
京橋辺
(
きょうばしへん
)
の酒屋の隠居所を、ある
伝手
(
つて
)
から二階だけ貸して貰ったので、
畳
(
たたみ
)
建具
(
たてぐ
)
も世間並の下宿に比べると、
遥
(
はるか
)
に
小綺麗
(
こぎれい
)
に出来上っていた。
路上
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
ただ
安房
(
あわ
)
や
上総
(
かずさ
)
の国で特筆されてよいと思いますのは、日蓮宗のお寺で名高い
清澄
(
きよすみ
)
山やまた風光のよい
鹿野
(
かのう
)
山に
建具
(
たてぐ
)
を職とする者が集っていて
手仕事の日本
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
障子
(
しようじ
)
のような
建具
(
たてぐ
)
に
火
(
ひ
)
が
燃
(
も
)
えついたならば、この
建具
(
たてぐ
)
を
倒
(
たふ
)
すこと、
衣類
(
いるい
)
に
火
(
ひ
)
が
燃
(
も
)
えついたときは、
床
(
ゆか
)
又
(
また
)
は
地面
(
じめん
)
に
一轉
(
ひところ
)
がりすれば、
焔
(
ほのほ
)
だけは
消
(
き
)
える。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
家の中では板の間や柱をつや/\と拭き込み、畳
建具
(
たてぐ
)
を新しく
調
(
とゝの
)
え、
屏風
(
びょうぶ
)
や
几帳
(
きちょう
)
を動かして座敷の模様がえをする。
少将滋幹の母
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
雲雀
(
ひばり
)
は鳴いて居たが、初めて田舎のあばら
家
(
や
)
住居
(
ずまい
)
をする彼等は、大穴のあいた
荒壁
(
あらかべ
)
、吹通しの
床下
(
ゆかした
)
、
建具
(
たてぐ
)
は不足し
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
▼ もっと見る
即ち余は
建具
(
たてぐ
)
職の若者と同居せねばならぬ、余は此の家をも早く去る積り。東京へ帰ることにしよう。
為事
(
しごと
)
が快く続かない。今日徳田秋声を訪ねたが志を果さなかった。
青べか日記:――吾が生活 し・さ
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
ちょっと
当方
(
こっち
)
に話があるんだが——だからよ、
大工
(
でえく
)
でも
建具
(
たてぐ
)
でも、何でもそうだが、職人てものは
気性
(
きっぷ
)
でね、ことに左官なんて、
濡
(
ぬ
)
れ物を扱う職は、気性一つなんだ——
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
建具
(
たてぐ
)
屋の金次は間違ひもなく下手人ですよ。死ぬほどお紋に惚れてゐたといふから。——尤も本人は、お紋と當人同士は出來て居て、市五郎が邪魔さへしなきや、近いうちに仲人を
銭形平次捕物控:225 女護の島異変
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
殊
(
こと
)
に
其
(
そ
)
の
家
(
いへ
)
は、
風通
(
かぜとほ
)
しも
可
(
よし
)
、
室取
(
まど
)
りも
可
(
よし
)
、
造作
(
ざうさく
)
、
建具
(
たてぐ
)
の
如
(
ごと
)
きも、こゝらに
軒
(
のき
)
を
並
(
なら
)
べた
貸家
(
かしや
)
とは
趣
(
おもむき
)
が
違
(
ちが
)
つて、
其
(
それ
)
に
家賃
(
やちん
)
もかつかうだと
聞
(
き
)
くのに……
不思議
(
ふしぎ
)
に
越
(
こ
)
して
來
(
く
)
るものが
居着
(
ゐつ
)
かない。
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
間もなく家財や、はづした
建具
(
たてぐ
)
を
奥庭
(
おくには
)
へ運び出す音がし出した。
大塩平八郎
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
とにかくその障子の色のすがすがしさは、
軒並
(
のきな
)
みの格子や
建具
(
たてぐ
)
の
煤
(
すす
)
ぼけたのを、貧しいながら身だしなみのよい美女のように、
清楚
(
せいそ
)
で品よく見せている。
吉野葛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
建具
(
たてぐ
)
取払って食堂が
濶
(
ひろ
)
くなった上に、風が立ったので、晩餐の
卓
(
たく
)
は
涼
(
すず
)
しかった。飯を食いながら、
唯
(
と
)
見
(
み
)
ると、夕日の残る
葭簀
(
よしず
)
の二枚屏風に南天の黒い影が
躍
(
おど
)
って居る。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
「あつしは隣りの
建具
(
たてぐ
)
屋の金次ですよ。怪しい者ぢやありません」
銭形平次捕物控:225 女護の島異変
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
“建具”の意味
《名詞》
建具 (たてぐ)
建物や外部、建物の内部を仕切るための開閉できる障子、襖、窓、戸などの総称。
(出典:Wiktionary)
“建具”の解説
建具(たてぐ)は、建築物の外壁の開口部あるいは内部に仕切りとして備えられる引き戸、障子、襖(ふすま)などの開閉式の設備。2020年「伝統建築工匠の技:木造建造物を受け継ぐための伝統技術」がユネスコ無形文化遺産に登録され、この17分野の中に「建具製作」が含まれている。この建具の技術により、従来の建具の範疇を超えて、下駄箱、座卓、行燈なども製作されている。
(出典:Wikipedia)
建
常用漢字
小4
部首:⼵
9画
具
常用漢字
小3
部首:⼋
8画
“建具”で始まる語句
建具屋
建具師