幾百いくひやく)” の例文
爐端ろばたもちいたゞくあとへ、そろへ、あたまをならべて、幾百いくひやくれつをなしたのが、一息ひといきに、やまひとはこんだのであるとふ。洒落しやれれたもので。
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
またそのしつ兩側りようがはかべちかくには、幾百いくひやくといふおほくのしがあつて、種類別しゆるいべつ整理せいりした昆蟲標本こんちゆうひようほんでいっぱいになつてをり、たれでも勝手かつてしてることが出來できるので
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
ふとまなこつたのは、いまこのふね責任せきにん双肩さうけんになへる船長せんちやうが、卑劣ひれつにも此時このとき舷燈げんとうひかり朦朧もうろうたるほとりより、てんさけび、ける、幾百いくひやく乘組人のりくみにんをば此處ここ見捨みすてゝ
幾百いくひやく沈黙もだ大牛おほうし
第二邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
春枝夫人はるえふじんしきりに辭退じたいしてつたが彼男かのをとこも一たんしたこととて仲々なか/\あとへは退かぬ。幾百いくひやくひと益々ます/\拍手はくしゆする。此時このときたちまわたくし横側よこがは倚子ゐすしきりに嘲笑あざわらつてこゑ、それはれい鷲鳥聲がてうごゑ婦人ふじんだ。
カルナックのいしよりちひさいものは、フランスに數限かずかぎりなくありますが、かはつて面白おもしろいのは行列石ぎようれつせき(ありにゅまん)とでもしようするもので、六七尺ろくしちしやくから十二三尺じゆうにさんじやくくらゐのたかさのいし幾百いくひやくとなく
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)