大役たいやく)” の例文
これからはいよ/\おたみどの大役たいやくなり、前門ぜんもんとら後門こうもんおほかみみぎにもひだりにもこわらしきやつおほをか、あたら美玉びぎよくきずをつけたまふは
経つくゑ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
この老人は応対おうたいのうまいというのが評判ひょうばんの人であったから、ふたりの使つかいがこの人にむかってのびと口上こうじょうはすこぶる大役たいやくであった。
告げ人 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
もののかずならぬそれがし大役たいやくおほせつけくだされさふらふこと、一世いつせい面目めんぼくさふらへども、暗愚斗筲あんぐとせうそれがし何事なにごとをか仕出しいだしさふらふべき
十万石 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「うん、あいつのとくいのやりくちだ。……どうだ、小林君、むしゃぶるいが出ないかね。こんどは、きみに大役たいやくをつとめてもらうつもりだよ。」
奇面城の秘密 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
だが、私に大役たいやくをおまかせになっても、若し私自身が、その結社の一員だったら、閣下は一体どうなさる御考えですか
国際殺人団の崩壊 (新字新仮名) / 海野十三(著)
あれかこれかとかんがえてみますと、さしあたり源頼政みなもとのよりまさほかに、この大役たいやくをしおおせるものがございません。そこで相談そうだんがきまって、頼政よりまさびだされることになりました。
(新字新仮名) / 楠山正雄(著)
が、ふしぎな大役たいやく、いいつけられた、呂宋兵衛のほうでも、なんだかムズムズ油がのる。秀吉公ひでよしこうへの目見得めみえ初役はつやく、ぜひ引っからめて見せねばならぬとひそかにちかった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いまから三四時間じかんのちには、目的もくてきのコロンボ附近ふきん降下かうかして、櫻木大佐さくらぎたいさより委任いにんされたる、此度このたび大役たいやくをも首尾しゆびよくはたこと出來できるであらうと、たがひ喜悦きえつまゆひらときしも
大役たいやくということを知っておるか」