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埋
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うずま
ふりがな文庫
“
埋
(
うずま
)” の例文
「
私
(
わたし
)
は
勲章
(
くんしょう
)
に
埋
(
うずま
)
った人間を見ると、あれだけの勲章を手に入れるには、どのくらい××な事ばかりしたか、それが気になって仕方がない。……」
将軍
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
それでもなお余ったのが
烏
(
からす
)
や
鼠
(
ねずみ
)
の
餌
(
えさ
)
となるのだが、中にはそれらの動物の目にも触れないで、
撓
(
た
)
わんだ枝のまま地に
埋
(
うずま
)
って腐っているのもあった。
何が私をこうさせたか:――獄中手記――
(新字新仮名)
/
金子ふみ子
(著)
どこへ
需要
(
じゅよう
)
されてゆくのか、古道具屋の
塵
(
ちり
)
に
埋
(
うずま
)
ったまま永年一朱か一
歩
(
ぶ
)
でも買手のなかった鈍刀や
錆槍
(
さびやり
)
までが、またたく間に影を潜めてしまった。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
女は黙って
向
(
むこう
)
をむく。
川縁
(
かわべり
)
はいつか、水とすれすれに低く着いて、見渡す田のもは、
一面
(
いちめん
)
のげんげんで
埋
(
うずま
)
っている。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
妾も仕方なしに、真綿の椅子の中で羽根布団に
埋
(
うずま
)
ったまま、おなじようにしてハラムの顔を見上げていた。
ココナットの実
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
▼ もっと見る
「女というものは、つまらないものだ」と仰って、深い歎息に
埋
(
うずま
)
って、花も嗅いで御捨てなさいました。
旧主人
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
この
上
(
うえ
)
なき
満足
(
まんぞく
)
を
以
(
もっ
)
て
書見
(
しょけん
)
に
耽
(
ふけ
)
るのである、
彼
(
かれ
)
は
月給
(
げっきゅう
)
を
受取
(
うけと
)
ると
直
(
す
)
ぐ
半分
(
はんぶん
)
は
書物
(
しょもつ
)
を
買
(
か
)
うのに
費
(
つい
)
やす、その六
間
(
ま
)
借
(
か
)
りている
室
(
へや
)
の三つには、
書物
(
しょもつ
)
と
古雑誌
(
ふるざっし
)
とで
殆
(
ほとんど
)
埋
(
うずま
)
っている。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
大辻老は、目の前に、百貨店が
埋
(
うずま
)
り、その反動で自分たちが吹き上げられて助かったなどとは気がつかず、大地震とばかり思っているところは、どこまでも大辻式だった。
地中魔
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
すると、猿はその巣が気に行ったらしく、赤ん坊のようにその中に
埋
(
うずま
)
って眠りこみました。
小公女
(新字新仮名)
/
フランシス・ホジソン・エリザ・バーネット
(著)
道は雪に
埋
(
うずま
)
って分らなかった。人の影を見ない。
木立
(
こだち
)
は雪を
被
(
き
)
て重げである。
空濠
(
からぼり
)
も雪に埋っていた。私は、この大きな陰気な空濠を廻って寺の墓地に入った、杉の木からは絶えず雪が崩れて落ちた。
不思議な鳥
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
交通もなく、枯木の林の中に
埋
(
うずま
)
っている。
郷愁の詩人 与謝蕪村
(新字新仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
世の中はしつこい、毒々しい、こせこせした、その上ずうずうしい、いやな
奴
(
やつ
)
で
埋
(
うずま
)
っている。元来何しに世の中へ
面
(
つら
)
を
曝
(
さら
)
しているんだか、
解
(
げ
)
しかねる奴さえいる。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
岸を
溯
(
さかのぼ
)
るにつれまして、さすがの大河も
谿流
(
けいりゅう
)
の勢に変るのですが、河心が右岸の方へ
酷
(
ひど
)
く
傾
(
かし
)
いでおりますので、左岸は盛上がったような砂底の
顕
(
あらわ
)
れた中に、川上から押流された大石が
埋
(
うずま
)
って
藁草履
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
この隧道の中の汽車と、この田舎者の小娘と、そうして又この平凡な記事に
埋
(
うずま
)
っている夕刊と、——これが象徴でなくて何であろう。不可解な、下等な、退屈な人生の象徴でなくて何であろう。
蜜柑
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
問屋の前は、今着いた二挺の
肩代
(
かたがわり
)
で人間が
埋
(
うずま
)
っていた。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そろそろと
天幕
(
テント
)
の所まで帰って来る。今度は中を
覗
(
のぞ
)
くのをやめにした。中は大勢でがやがやしている。入口へ回って見ると人で
埋
(
うずま
)
って皿の音がしきりにする。若夫婦はどこにいるか見えぬ。
野分
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
埋
常用漢字
中学
部首:⼟
10画
“埋”を含む語句
埋葬
生埋
埋合
溝埋
埋火
降埋
埋木
埋没
埋立
穴埋
埋蔵
埋葬地
埋尽
埋伏
埋立地
埋兵
埋草
埋地
仮埋葬
埋堀
...