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吸口
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すひくち
ふりがな文庫
“
吸口
(
すひくち
)” の例文
藍微塵
(
あゐみぢん
)
の
袷
(
あはせ
)
を、膝が破れさうに坐つて、此時代では何よりの贅澤とされた銀の
吸口
(
すひくち
)
のチヨツピリ付いた煙管で煙草盆を引寄せる平次は、若くて好い男ながら
銭形平次捕物控:015 怪伝白い鼠
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
代助は
烟草
(
たばこ
)
へ
火
(
ひ
)
を
点
(
つ
)
けて、
吸口
(
すひくち
)
を
啣
(
くわ
)
へた儘、椅子の
脊
(
せ
)
に
頭
(
あたま
)
を
持
(
も
)
たせて、
寛
(
くつ
)
ろいだ様に
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
じぶと
云
(
い
)
ふ
料理
(
れうり
)
あり。だししたぢに、
慈姑
(
くわゐ
)
、
生麩
(
なまぶ
)
、
松露
(
しようろ
)
など
取合
(
とりあ
)
はせ、
魚鳥
(
ぎよてう
)
をうどんの
粉
(
こ
)
にまぶして
煮込
(
にこ
)
み、
山葵
(
わさび
)
を
吸口
(
すひくち
)
にしたるもの。
近頃
(
ちかごろ
)
頻々
(
ひんぴん
)
として
金澤
(
かなざは
)
に
旅行
(
りよかう
)
する
人々
(
ひと/″\
)
、
皆
(
みな
)
その
調味
(
てうみ
)
を
賞
(
しやう
)
す。
寸情風土記
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
ゆつくりと
然
(
しか
)
も
暇
(
ひま
)
なく
手
(
て
)
を
動
(
うご
)
かしては
時々
(
とき/″\
)
好
(
すき
)
な
煙草
(
たばこ
)
を
吸
(
す
)
うて
少
(
すこ
)
し
口
(
くち
)
を
開
(
あ
)
いた
儘
(
まゝ
)
煙管
(
きせる
)
の
吸口
(
すひくち
)
をこけた
頬
(
ほゝ
)
に
當
(
あて
)
て
深
(
ふか
)
い
考
(
かんが
)
へにでも
惱
(
なや
)
んだ
樣
(
やう
)
に
只
(
たゞ
)
凝然
(
ぢつ
)
として
居
(
ゐ
)
る。
煙
(
けぶり
)
は
口
(
くち
)
から
少
(
すこ
)
しづゝ
漏
(
も
)
れて
鼻
(
はな
)
を
傳
(
つた
)
ひて
騰
(
あが
)
る。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
親爺
(
おやぢ
)
は
刻
(
きざ
)
み
烟草
(
たばこ
)
を
吹
(
ふ
)
かすので、
手
(
て
)
のある長い烟草盆を前へ引き付けて、
時々
(
とき/″\
)
灰吹
(
はいふき
)
をぽん/\と
叩
(
たゝ
)
く。それが静かな
庭
(
には
)
へ響いて
好
(
い
)
い
音
(
おと
)
がする。代助の方は
金
(
きん
)
の
吸口
(
すひくち
)
を四五本
手烙
(
てあぶり
)
の
中
(
なか
)
へ
並
(
なら
)
べた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
“吸口”の解説
吸口(すいくち)は、汁物料理に用いられるつけあわせ、薬味のことである。香頭とも呼ばれる。
香りと風味を与え生臭い匂いを消す作用や、見た目を美しくすることによって食欲をそそる働きがある。また、木の芽のような葉物を浮かべることで、熱い汁物を一気に飲むことで火傷をしないようにする効用もある。一般に、木の芽(山椒の葉)やゆず(皮)等で、配合されている内容物から七味唐辛子を用いることも有る。
(出典:Wikipedia)
吸
常用漢字
小6
部首:⼝
6画
口
常用漢字
小1
部首:⼝
3画
“吸”で始まる語句
吸
吸殻
吸血鬼
吸物
吸込
吸筒
吸物椀
吸子
吸盤
吸付