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ういまご
ふりがな文庫
“
初孫
(
ういまご
)” の例文
女房のお藤もやはり不同意で、たとい隠居するにしても、娘に相当の婿をとって
初孫
(
ういまご
)
の顔でも見た上でなければならないと主張した。
半七捕物帳:16 津の国屋
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
害
(
あや
)
めたところで、大したおとがめはあるめえ——お富に
初孫
(
ういまご
)
が出来る頃までには、手前も西国巡礼の旅から帰って来られるだろうよ
銭形平次捕物控:075 巾着切りの娘
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
森「
何時
(
いつ
)
でも御隠居さんが、文治に
好
(
い
)
い
女房
(
にょうぼ
)
を持たせて
初孫
(
ういまご
)
の顔を見てえなんて云うが、あんたは御新造をお持ちなせえな」
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
在学中にも
拘
(
かか
)
わらず結婚すると言い出しても、母親は反対しないのみか、むしろ、一日も早く
初孫
(
ういまご
)
の顔が見たさに、喜んで同意し、話が迅速に運ばれて
血の盃
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
早く相応な者を
宛
(
あて
)
がって
初孫
(
ういまご
)
の顔を見たいとおもうは親の私としてもこうなれど、
其地
(
そっち
)
へ往ッて一軒の家を
成
(
なす
)
ようになれば家の大黒柱とて無くて
叶
(
かな
)
わぬは妻
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
▼ もっと見る
……いつまでもじゃじゃばっていられずと、はやくお役御免を願って、
初孫
(
ういまご
)
の顔を見る
算段
(
さんだん
)
でもなさい
顎十郎捕物帳:12 咸臨丸受取
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
それでもお祖母様は、どんなにか
初孫
(
ういまご
)
の顔を御覧になりたくておいでになったでしょう。
押絵の奇蹟
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
父上ご自身も急に祖父様らしくなられ候て
初孫
(
ういまご
)
あやしホクホク喜びたもうを見てはむしろ涙にござ候、しかし涙は不吉不吉、ご覧候えわれら一家のいかばかり楽しく暮らし候かを
初孫
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
十
月
(
がつ
)
中
(
なか
)
の五
日
(
か
)
、
與
(
よ
)
四
郎
(
らう
)
が
退出
(
たいしゆつ
)
間近
(
まぢか
)
に
安
(
やす
)
らかに
女
(
をんな
)
の
子
(
こ
)
生
(
うま
)
れぬ、
男
(
おとこ
)
と
願
(
ねが
)
ひし
夫
(
そ
)
れには
違
(
ちが
)
へども、
可愛
(
かはゆ
)
さは
何處
(
いづこ
)
に
變
(
かは
)
りのあるべき、やれお
歸
(
かへ
)
りかと
母親
(
はゝおや
)
出
(
で
)
むかふて、
流石
(
さすが
)
に
初孫
(
ういまご
)
の
嬉
(
うれ
)
しきは
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
行儀学問も追々覚えさして
天晴
(
あっぱれ
)
の
婿
(
むこ
)
取り、
初孫
(
ういまご
)
の顔でも見たら夢の
中
(
うち
)
にそなたの母に
逢
(
あ
)
っても
云訳
(
いいわけ
)
があると今からもう
嬉
(
うれし
)
くてならぬ、それにしても髪とりあげさせ、
衣裳
(
いしょう
)
着かゆさすれば
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
そんなわけで、その
初孫
(
ういまご
)
を非常に大切になさるのでした。或日夜更けてから用事のある人が、横堀にあった森の家の辺を通りかかると、あかあかと灯がともっていて、人声もするのです。
鴎外の思い出
(新字新仮名)
/
小金井喜美子
(著)
彼女に取っては
初孫
(
ういまご
)
であったお俊を、どんなに心から愛して居たか分らなかった——絶え間もない
欷
(
すゝ
)
り泣の声が、
初
(
はじめ
)
は死にかけて居るおかんの胸をも、物悲しく掻き擾さずには居なかった。
極楽
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
わたくしが五歳になった年の暮にわたくしの弟
貞二郎
(
ていじろう
)
が生れた。母はそれがためわたくしの養育を
暫
(
しばら
)
く
下谷
(
したや
)
の祖母に托した。祖母の往々にして
初孫
(
ういまご
)
の愛に
溺
(
おぼ
)
れやすきは世にしばしば見るところである。
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
月満たずして
早産
(
うま
)
れおちたすこやかな彼の
初孫
(
ういまご
)
なんだ!……
灯台鬼
(新字新仮名)
/
大阪圭吉
(著)
同じ取るなら娘の気に入った聟を取って、
初孫
(
ういまご
)
の顔を見たいと云うのが親の
情合
(
じょうあい
)
じゃアねえか、娘が
強
(
た
)
って
彼
(
あれ
)
でなければならないといえば、私には気に入らんでも
闇夜の梅
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
お峰は世間の母親のように、
初孫
(
ういまご
)
の顔を見るのを楽しみに安閑とその日を送ってはいられなかった。
経帷子の秘密
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
善「そんな分らぬ事を云ってはいけません、早く養子をして
初孫
(
ういまご
)
の顔を見せなければ成りません」
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
こういうふうであるから、若夫婦の仲にまだ
初孫
(
ういまご
)
の顔を見ることの出来ないのをお秀が一つの不足にして、そのほかには加賀屋一家の平和を破るような材料は一つも見いだされなかった。
半七捕物帳:37 松茸
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
國「旦那に
良
(
い
)
い
御新造
(
ごしんぞう
)
の世話をしたい、お
母
(
っか
)
さんも
初孫
(
ういまご
)
の顔を見てえだろう」
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
初
常用漢字
小4
部首:⼑
7画
孫
常用漢字
小4
部首:⼦
10画
“初”で始まる語句
初
初心
初々
初手
初夏
初春
初陣
初秋
初午
初旬