人車じんしや)” の例文
隨分ずゐぶんながたされたとおもつたが實際じつさいは十ぷんぐらゐで熱海あたみからの人車じんしや威勢ゐせい能く喇叭らつぱきたてゝくだつてたのでれちがつて我々われ/\出立しゆつたつした。
湯ヶ原ゆき (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
小田原をだはらからさきれい人車鐵道じんしやてつだうぼくは一ときはや湯原ゆがはらきたいのできな小田原をだはら半日はんにちおくるほどのたのしみすてて、電車でんしやからりて晝飯ちうじきをはるや人車じんしやつた。
湯ヶ原より (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
此時このとき二人ふたり巡査じゆんさ新聞しんぶんんでた。關羽巡査くわんうじゆんさ眼鏡めがねをかけて、人車じんしやのぼりだからゴロゴロと徐行じよかうしてた。
湯ヶ原ゆき (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
母屋おもや入口いりくちはレールにちかはうにあつて人車じんしやからると土間どま半分はんぶんほどはすかひにえる。
湯ヶ原ゆき (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
人車じんしや徐々じよ/\として小田原をだはらまちはなれた。ぼくまどからくびしてる。たちまちラツパをいさましくてゝくるま傾斜けいしやぶやうにすべる。そら名殘なごりなくれた。海風かいふうよこさまにまどきつける。
湯ヶ原より (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
人車じんしやると最早もはや半分はんぶんはらいたになつた。この人車鐵道じんしやてつだう目的もくてき熱海あたみ伊豆山いづさんはらごと温泉地をんせんちにあるので、これにれば最早もはや大丈夫だいぢやうぶといふになるのは温泉行をんせんゆき人々ひと/″\同感どうかんであらう。
湯ヶ原より (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)