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予
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か
ふりがな文庫
“
予
(
か
)” の例文
旧字:
豫
なお私は両脚の代償として、
予
(
か
)
ねて珠子から望まれていたとおりの五ヶ年若き青春と代りの脚一組とを
購
(
あがな
)
い、その場で移植して貰った。
大脳手術
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
私は歩きながら、瞬間歌の行きついた
涅槃那
(
ねはんな
)
の姿を見た。永い未来を、遥かに
予
(
か
)
ねて言おうとするのは、知れきった必滅を説く事である。
歌の円寂する時
(新字新仮名)
/
折口信夫
(著)
尊
(
みこと
)
はもう髪も髯も白くなった老人ではあるが、部落第一の学者でもあり、
予
(
か
)
ねてまた部落第一の詩人と云う名誉も
担
(
にな
)
っていた。
素戔嗚尊
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
大原君お
強鉢
(
しいばち
)
の事は
予
(
か
)
ねて話に聞いていたが実際そんなものか。しかしそれでよく生きていられるね、胃袋が破裂せんで生命を
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
じゞむさくしている故、名人らしい事は更になけれども、孝助は
予
(
か
)
ねて良石和尚の教えもあればと思って両手を突き
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
▼ もっと見る
予
(
か
)
ねてから定評がありましたので、この論文の標題は忽ち、学内一般の評判になりまして、ドンナ内容だろうと眼を
瞠
(
みは
)
らぬ者はないくらいで御座いました。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
理由を訊いて見ますと、その男の郷里では一生に一遍即ち祝言の席で
予
(
か
)
ねて話に聞いていた鯛というものに親しく見参するのが最初の又最後なんだそうです。
ぐうたら道中記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
それを簡単に云えば、彼は何の未練もなく私立大学を退校して、土地と家屋を売払い、
予
(
か
)
ねて目星をつけて置いた郊外の、
淋
(
さび
)
しいあばら家へと引移ったのである。
虫
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
其年の暮には上方の富田左近
将監
(
しょうげん
)
や施薬院玄以に書を与えて、
何様
(
どん
)
なものだろうと探ると、案の定一白や玄以からは、会津の蘆名は
予
(
か
)
ねてより
通聘
(
つうへい
)
して居るのに
蒲生氏郷
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
時これ三月二十七日、外人の上陸するを見て、
予
(
か
)
ねて草したる漢文の書翰を投じ、柿崎弁天祠に入りて潮の来るを
俟
(
ま
)
ち、その沙洲に
繋
(
つな
)
ぎたる漁舟に乗り出でんとす。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
吉良の領地は上州
碓氷郷
(
うすいごう
)
に千石、三河の幡豆郷は三千三百石あるとは
予
(
か
)
ねて聞いていた事である。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
働く人々の
晴
(
はれ
)
の食料に
宛
(
あ
)
てるべく、
予
(
か
)
ねて用意して年神の祭壇を豊かにし、且つは祭に仕える者の心を楽しくしようとしたなども、いずれも新制の正月を採用するに際して
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
その夜の
通夜
(
つや
)
は「談笑平日の如くなるべきこと。」という
予
(
か
)
ねての居士の意見に従って自然に任せておいた。余は前夜の睡眠不足のために堪え難くて一枚の布団を
檞餅
(
かしわもち
)
にして少し眠った。
子規居士と余
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
私は
予
(
か
)
ねてから木村清と云う私立探偵の事を聞いていたから、彼の所へ行った。所が
生憎
(
あいにく
)
彼は不在だった。私は
落胆
(
がっかり
)
して外へ出ると、運の好い事にはバッタリ彼の帰って来るのに出会った。
急行十三時間
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
それは寄宿舎とはよほど隔っている講堂、即ち表講釈も行われて君公も臨席せらるる広い堂であるが、そこへ或る一人が深更廊下を通って、
予
(
か
)
ねて他の者が隠してある枕を探して持返るのである。
鳴雪自叙伝
(新字新仮名)
/
内藤鳴雪
(著)
そういうことに、
予
(
か
)
ねて打合せがしてあった。
御萩と七種粥
(新字新仮名)
/
河上肇
(著)
珠子は私の脚を和歌宮先生から買取り、そして彼女が
予
(
か
)
ねて愛する男へ捧げられたという。今後油断をすると飛んでもないことになるぞ、早耳生——というのだ。
大脳手術
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
今まで
和郎
(
おまえ
)
の帰国を促したのは
予
(
か
)
ねて和郎と本家のお代さんとを婚礼させる事に話しが極まっている。
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
予
(
か
)
ねて噂を聞いていたので、一目で、これが、素人探偵の、有名な恋人だなと、
肯
(
うなず
)
くことが出来た。
吸血鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
人の死ぬ時はその前に死相の出るという事は
予
(
か
)
ねて承わって居り、
殊
(
こと
)
に
貴方
(
あなた
)
は人相見の名人と聞いておりますし、又昔から
陰徳
(
いんとく
)
を
施
(
ほどこ
)
して寿命を全くした話も聞いていますが
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
ところがその重役の方は
予
(
か
)
ねてこの話を承知して居りました。そこで
帰宅
(
かえり
)
の晩い時には
彼処
(
あすこ
)
は通らないで、廻り道をすることにしていましたのに、主人なぞにも能くあります。
ぐうたら道中記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
貴様が
予
(
か
)
ねて聞いた伊達藤次郎か、おぬしが予ねて聞いた木下藤吉か、と互に面を見合せて
重瞳
(
ちょうどう
)
と隻眼と相射った時、ウム、面白そうな奴、話せそうな奴、と相愛したことは疑無い。
蒲生氏郷
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
それを私が
予
(
か
)
ねてから職業に熱心のあまり忍び包んでおりました病気のためとばかり思し召して、私の身にとりまして堪えられぬ程の御同情を賜わっておりますとの事で御座いますが、まあ
押絵の奇蹟
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
右の次第を養父相川新五兵衞に話しまして、六日の早天水道端を出立し、馬喰町なる下野屋方へ参り様子を見ておりますると、母も
予
(
か
)
ねて約したる事なれば、身支度を整え
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
その肝臓というのは、肝臓病ではない死者から摘出し、
予
(
か
)
ねて貯蔵してあったものであり、そしてそれはその遺族が世界人類の幸福のために人体集成局部品部へ進んで売却したものなんだ。
大脳手術
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
そこには
予
(
か
)
ねて持込んで置いた寝棺の様な箱がある。その中には白蝙蝠団から派遣された偽の大河原伯爵が忍び込んでいるのだ。偽伯爵が箱を出る。偽秘書官と二人で本物の伯爵を箱に入れる。
猟奇の果
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
中川の意見は
予
(
か
)
ねて玉江嬢に語りし事もあり、今は一層
詳
(
つまびらか
)
に
我説
(
わがせつ
)
を述べ
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
とはお父さんと三輪さんが
予
(
か
)
ねて相談していたところだった。
ぐうたら道中記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
私の
予
(
か
)
ねて勉強しておいた
前世古代語
(
ぜんせいこだいご
)
が役にたって嬉しいことでした。彼等は
自
(
みずか
)
ら、これがピポスコラ族であることを申立てました。彼等は二十万年前に、地中へ
潜
(
もぐ
)
ったと申して居りました。
今昔ばなし抱合兵団:――金博士シリーズ・4――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
中川は
予
(
か
)
ねてこの問題を講究しけん
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
“予”の意味
《代名詞》
(ヨ)(context、dated)一人称代名詞。われ。余。
(出典:Wiktionary)
予
常用漢字
小3
部首:⼅
4画
“予”を含む語句
猶予
予想
予期
予譲
予言
予々
御猶予
予定
伊予簾
予言者
予等
予告
予備黌
予知
予報
予算
予且
伊予
予感
予測
...