世間話せけんばなし)” の例文
竹夫たけおは、いつものごとく、おじさんのみせへ、あそびにいきました。ちょうど、おじさんのなかまもきていて、世間話せけんばなしをしていました。
ひすいの玉 (新字新仮名) / 小川未明(著)
けれども自然にる世間ばなしといふよりも、寧ろある問題を回避するため世間話せけんばなしだから、両方共に緊張きんちようはらそこかんじてゐた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
いまも、えきからのかえり道で、いつもとおなじようにホールは途中とちゅうで、さんざん世間話せけんばなしあぶらを売ってきたところである。
いままで、ごろごろとのんきにころがつてつみのない世間話せけんばなしをしてゐたうりが、一せいにぴたりとそのはなしをやめて、いきころしました。みんな、そしてねむつた眞擬ふりをしてゐました。
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
世間話せけんばなしをしてやがて帰らんとする様子に少々不審あれば、跡より小僧を見せにりしに、門を出でて家の方に向い、町のかどを廻りて見えずなれり。その道にてこの人に逢いたる人まだほかにもあり。
遠野物語 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
代助は世間話せけんばなしていにして、平岡夫婦の経歴をそろ/\はなし始めた。誠吾は面倒な顔色もせず、へえ/\と拍子を取る様に、飲みながら、聞いてゐる。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
二人ふたり少時しばらく例の通りの世間話せけんばなしをした。代助の調子態度は固より尋常ではなかつた。けれどもあには決してうしたともかなかつた。はなした時
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
たまに世間話せけんばなしついでとして、ありや一體いつたいなにをしてゐるひとぐらゐきもするが、それよりさきは、をしへてもら努力どりよくさへすのが面倒めんだうだつた。御米およねにもこれとおなかたむきがあつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
さうして其所そこ御米およねでもゐると、世間話せけんばなしひとつやふたつはしないともかぎらなかつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
仕舞しまひには時候じこう挨拶あいさつますと、すぐかへりたくなることもあつた。かうときには三十ぷんすわつて世間話せけんばなし時間じかんつなぐのにさへほねれた。むかふでもなんだかけて窮屈きゆうくつだとふうえた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)