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三下
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さんさが
ふりがな文庫
“
三下
(
さんさが
)” の例文
故に
三下
(
さんさが
)
りの三味線で
二上
(
にあが
)
りを唄うような調子はずれの文章は、既に文章たる
価値
(
あたい
)
の一半を失ったものと断言することを得。
おばけずきのいわれ少々と処女作
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
なるほど娑婆に居る時に
爪弾
(
つまびき
)
の
三下
(
さんさが
)
りか何かで心意気の一つも聞かした事もある 聞かされた事もある。忘れもしないが自分の誕生日の夜だった。
墓
(新字新仮名)
/
正岡子規
(著)
庭前では、道場を開放して四民の間に武術を奨励するかと見れば、奥の間ではしきりに三味線の
三下
(
さんさが
)
り、それも、聞いていれば、今時のはやり唄
大菩薩峠:30 畜生谷の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「根岸の梅屋敷——龜戸梅屋敷と違つて、此處は御隱殿裏で、宮家住居の近くだから、
藪鶯
(
やぶうぐいす
)
だつて
三下
(
さんさが
)
りぢや啼かねえ。
簫
(
しやう
)
篳篥
(
しちりき
)
に合せてホウホケキヨ——」
銭形平次捕物控:283 からくり屋敷
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
と思えば先生の耳には本調子も
二上
(
にあが
)
りも
三下
(
さんさが
)
りも皆この世は夢じゃ
諦
(
あきら
)
めしゃんせ諦めしゃんせと響くのである。
妾宅
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
▼ もっと見る
彼女は羽左衛門と、
三下
(
さんさが
)
り、また
二上
(
にあが
)
りの、
清元
(
きよもと
)
、もしくは
新内
(
しんない
)
、
歌沢
(
うたざわ
)
の情緒を味わう生活をもして来た。
一世お鯉
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
お久は
絃
(
いと
)
を
三下
(
さんさが
)
りにして
地唄
(
じうた
)
の「あやぎぬ」をうたっていた。老人はこの唄が好きなのである。
蓼喰う虫
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
今も歌ふは
当初
(
そのむかし
)
露友
(
ろゆう
)
が
未亡人
(
ごけ
)
なる
荻江
(
おぎえ
)
のお幾が、かの朝倉での
行違
(
ゆきちがい
)
を、
老
(
おい
)
のすさびに
聯
(
つら
)
ねた一
節
(
ふし
)
、
三下
(
さんさが
)
り、雨の日を二度の迎に唯だ往き返り
那加屋好
(
なかやごのみ
)
の
濡浴衣
(
ぬれゆかた
)
慥
(
たし
)
か模様は
染違
(
そめちがえ
)
。
そめちがへ
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
入相
(
いりあひ
)
の
鐘
(
かね
)
の
聲
(
こゑ
)
陰
(
いん
)
に
響
(
ひゞ
)
きて
塒
(
ねぐら
)
にいそぐ
友烏
(
ともがらす
)
今宵
(
こよひ
)
の
宿
(
やど
)
りの
侘
(
わび
)
しげなるに
誰
(
た
)
が
空
(
うつ
)
せみの
夢
(
ゆめ
)
の
見初
(
みはじ
)
め、
待合
(
まちあひ
)
の
奧二階
(
おくにかい
)
の
爪彈
(
つめび
)
きの
三下
(
さんさが
)
り
簾
(
すだれ
)
を
洩
(
も
)
るゝ
笑
(
わら
)
ひ
聲
(
ごゑ
)
低
(
ひく
)
く
聞
(
きこ
)
えて
思
(
おも
)
はず
停
(
とま
)
る
行人
(
ゆくひと
)
の
足元
(
あしもと
)
、
狂
(
くる
)
ふ
煩惱
(
ぼんなう
)
の
犬
(
いぬ
)
の
尻尾
(
しつぽ
)
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
つまり
菖蒲
(
あやめ
)
浴衣
(
ゆかた
)
の
三下
(
さんさが
)
り
ながうた勧進帳:(稽古屋殺人事件)
(新字新仮名)
/
酒井嘉七
(著)
都々逸
(
どゞいつ
)
、
三下
(
さんさが
)
り、
大津絵
(
おおつえ
)
などを、
粋
(
いき
)
な節廻しで歌われると、子供ながらも体内に漠然と潜んで居る放蕩の血が湧き上って、人生の楽しさ、歓ばしさを暗示されたような気になります。
幇間
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
これによって三囲堤の下にあった
葛西太郎
(
かさいたろう
)
という有名な料理屋は
三下
(
さんさが
)
りの俗謡に、「夕立や田をみめぐりの神ならば、葛西太郎の洗鯉、ささがかうじて
狐拳
(
きつねけん
)
。」と
唱
(
うた
)
われていたほどであったのが
向嶋
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
兵部の娘は、
三下
(
さんさが
)
りの調子で、胡琴を鳴らしてみました。
大菩薩峠:25 みちりやの巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
吹けよ河風上れよ
簾
(
すだれ
)
の
三下
(
さんさが
)
りに
呑
(
の
)
めや
唄
(
うた
)
えの豪遊を競うものは
稀
(
まれ
)
であったが、その代り
小舷
(
こべり
)
に
繻子
(
しゅす
)
の
空解
(
そらどけ
)
も締めぬが無理かと簾
下
(
おろ
)
した
低唱浅酌
(
ていしょうせんしゃく
)
の
小舟
(
こぶね
)
はかえっていつにも増して多いように思われた。
散柳窓夕栄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
“三下”の解説
三下(さんした)とは、丁半打の仲間の内で下っ端の者を意味する言葉である。三下奴とも。また博打打の仲間でなくても下っ端の者を指したり、単に取るに足らない者を指す場合にでも三下という言葉が使われる場合がある。
三一(サンピン)とは語源が異なる。
(出典:Wikipedia)
三
常用漢字
小1
部首:⼀
3画
下
常用漢字
小1
部首:⼀
3画
“三下”で始まる語句
三下奴
三下冥利
三下風情