“火酒”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ウォツカ17.6%
ウォッカ14.7%
ウォトカ11.8%
ウオツカ11.8%
ウオッカ5.9%
ウイスキー2.9%
シウーハ2.9%
くわしゆ2.9%
しゃうちう2.9%
しゃうちゅう2.9%
ウオトカ2.9%
オオ・ド・ヴィ2.9%
カンニャ2.9%
スピリット2.9%
ブランデイ2.9%
ブランデー2.9%
ペトロール2.9%
ヴォートカ2.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ぢやあ、ソローハ、火酒ウォツカを一杯御馳走にならうかな。忌々しいてでな、この咽喉のどがこごえてしまつたやうな気がするて。
火酒ウォッカのように澄みきった大気のなかをうすら寒い日光が白くそそいで、哈爾賓ハルビンはやはり根気のいい植物のように、じいっと何かを待って展開している。
踊る地平線:01 踊る地平線 (新字新仮名) / 谷譲次(著)
働く人間、彼らのいわゆる「黒い町」の住人どもに与えられているのは、ブルジョア国家がその税で富むところの火酒ウォトカと教会と無智であった。
スモーリヌイに翻る赤旗 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
露西亜の昔譚むかしばなしに、ある農夫ムジクが死にかゝつた時、火酒ウオツカを一壜と蝋燭を五丁棺のなかへ入れて呉れと遺言したのがある。理由わけを聞くと
ここで私はロシア煙草と火酒ウオッカと世界の新聞を読んで一日を暮した。しかし偶然はアンナ・ニコロ、私をみて無意味にわらいだした。
恋の一杯売 (新字新仮名) / 吉行エイスケ(著)
伝聞きくならく北米合衆国においては亜米利加印甸人アメリカインデアンに対して絶対に火酒ウイスキーを売る事を禁ずるは、印甸人の一度ひとたび酔えばたちまち狂暴なる野獣と変ずるがためである。
妾宅 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
見ろやい、豪気な若い衆ぢやねえか? あんなのあ、まつたく珍らしいや、火酒シウーハ麦酒ブラーガのやうにがぶがぶやりをるぜ!
資本の奴隷どもは、やうやく真人間の仲間入をしようとする権利を得ながら、半途にしてこの宗教といふ下等な火酒くわしゆの中に溺没できぼつしてしまふのである。とさへののしつてゐる。
日本大地震 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
れぞくだされ、たれぞ! ひいさまがなしゃってぢゃ! おゝ、かなしや/\、うまれなんだがましであったものを! はや火酒しゃうちうってくだされ! 殿とのさまえ、おくさま!
乳母 さゝ、たのまれぬ、しんぜられぬ、不正直ふしゃうぢきをとこならひぢゃ。どれも/\譃吐うそつき誓言破せいごんやぶり、ろくでなしの詐僞者いつはりものぢゃ。あゝ、彼僮あいつめは何處どこにをったぞ? 火酒しゃうちゅうてくりゃ。
……大きな樺の樹の下で、古いザパロージェ人の老人としよりたちがパンドーラを弾きながら火酒ウオトカを飲んでいる。その楽しそうなようすといったら!……たしかにそんな時代もあった。……夢ではない。
犂氏の友情 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
部屋の片隅には、酒棚と番台ザンクを作り、棚の上には火酒オオ・ド・ヴィ、コニャックの類が並べられ、鹿の首はほこりを払われ、賞牌メダイユは一つ一つ真鍮磨きで磨かれもとの場所におさまった。
陰気な、沼蛙ぬまがえるの声がするだけの寂漠たる天地。天幕テントのそばの焚火たきびをはさんで、カムポスと折竹が火酒カンニャをあおっている。生の細茅サベジニヨスにやっと火が廻ったころ、折竹がいいだした。
人外魔境:05 水棲人 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
看板に「火酒スピリット」。臓物屋の店先で女子供が押し合った。
ロンドン一九二九年 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
さては火酒ブランデイかぶりつつ強ひてころがる酔漢ゑひどれ
第二邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
火酒ブランデーをちびちびやつてゐる老年者や、娘共とじやれ合つてゐる若者達や、皆が醉つ拂つたり、夢中になつて歌つたりしてゐた。
「何を言ってやがる、このボケ茄子なすめ、おいらのところの火酒ペトロールにガソリンなんざ入ってやしねえやい。ふざけたことを言いやがるとぶッ叩くぞ」
犂氏の友情 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
飲むんじゃないよ、これは火酒ヴォートカなのさ。いつぞやわたしは、自分で自分の締めくくりがつかなくなって、飲んじまったのよ……親切な人がくれたものでね。