火酒ウォッカ)” の例文
火酒ウォッカのように澄みきった大気のなかをうすら寒い日光が白くそそいで、哈爾賓ハルビンはやはり根気のいい植物のように、じいっと何かを待って展開している。
踊る地平線:01 踊る地平線 (新字新仮名) / 谷譲次(著)
二つの銀の盃に、その火酒ウォッカはなみなみとつがれた。盃のふちは、りーんといい音をたてて鳴った。
その声は鈍く乱れしわがれ濁っていて、火酒ウォッカ焼酎しょうちゅうのどをつぶした老人のような声だった。
あらゆる種類の産地と年代のワインは元より、火酒ウォッカ椰子酒アラック、コニャック、ウイスキイ、ジン、ラム、テキラ——それに、Saki まであった。このサキというのは、酒のことだ。
戦雲を駆る女怪 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
ところで、この酒を一杯けんじよう。これはこの地方で申す火酒ウォッカの一種であって、特別醸造じょうぞうになるもの、すこぶる美味びみじゃ。飲むときは、銀製の深いさかずきで呑めといわれている。
火酒ウォッカのように澄み切った空気のなかを、うそ寒い日光が白くそそいで、しっとりと去年からの塵埃ほこりをかぶった建物と、骨の高いはだかのどろ柳と、呪文のようなポスタアを貼った広告塔と
踊る地平線:01 踊る地平線 (新字新仮名) / 谷譲次(著)
つぎに運ばれてきた火酒ウォッカびんからは、相手にだけすすめて、自分は飲むふりに止めておくように、夫人は、眼立たないように注意した。三十分もすると、ギリシャ正教徒の生けるしかばねができあがった。
戦雲を駆る女怪 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
ブラッセルでは最もよく麦酒ビールを飲み、ストックホルムでは最もよく火酒ウォッカを飲み、マドリッドでは最もよくチョコレートを、アムステルダムでは最もよくジン酒を、ロンドンでは最もよく葡萄酒ぶどうしゅ
「ああ、この大使館の燻製くんせいさけ火酒ウォッカにもきてしまったわい。もうこれくらい滞在しておけば、王老師の顔も立つことじゃろう。では今のうちに、道具をまとめて、帰るとしようか」
主人の留守ちゅうであるが、そのまま帰るわけにもゆかないので、ゆっくりあがって遊んでいくことになった。やがて晩餐ばんさんが出る。卓上には、美味と佳酒かしゅと伯爵夫人の愛嬌あいきょうとがある。葡萄ぶどう酒と火酒ウォッカだ。
戦雲を駆る女怪 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
(あ、火酒ウォッカだ!)
太平洋魔城 (新字新仮名) / 海野十三(著)