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てあたりしだい
彼は
非常に
讀書を
好んで、
屡〻倶樂部に
行つては、
神經的に
髭を
捻りながら、
雜誌や
書物を
手當次第に
剥いでゐる、
讀んでゐるのではなく
咀み
間合はぬので
鵜呑にしてゐると
云ふやうな
鹽梅。
ごろりと
轉げて
大の
字なり、
坐團布を
引寄せて
二つに
折て
枕にして
又も
手當次第の
書を
讀み
初める。
陶淵明の
所謂る「不
レ求
二甚解
一」
位は
未だ
可いが
時に一ページ
讀むに一
時間もかゝる
事がある。
体中珠数生になつたのを
手当次第に
掻い
除け
毟り
棄て、
抜き
取りなどして、
手を
挙げ
足を
踏んで、
宛で
躍り
狂ふ
形で
歩行出した。
彼は
非常に
読書を
好んで、しばしば
倶楽部に
行っては、
神経的に
髭を
捻りながら、
雑誌や
書物を
手当次第に
剥いでいる、
読んでいるのではなく
咀み
間合わぬので
鵜呑にしていると
云うような
塩梅。
浴盤には
馬鈴薯が
投込んであるような
始末、
代診、
会計、
洗濯女は、
患者を
掠めて
何とも
思わぬ。
話には
前の
院長はまま
病院のアルコールを
密売し、
看護婦、
婦人患者を
手当次第妾としていたと
云う。