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手當次第
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てあたりしだい
一
日又一
日、
彼は
稼ぎに
稼ぎ、
百姓は
勿論、
炭も
燒ば、
材木も
切り
出す、
養蠶もやり、
地木綿も
織らし、
凡そ
農家の
力で
出來ることなら、
何でも
手當次第、そして
一生懸命にやりました。
彼は
非常に
讀書を
好んで、
屡〻倶樂部に
行つては、
神經的に
髭を
捻りながら、
雜誌や
書物を
手當次第に
剥いでゐる、
讀んでゐるのではなく
咀み
間合はぬので
鵜呑にしてゐると
云ふやうな
鹽梅。
ごろりと
轉げて
大の
字なり、
坐團布を
引寄せて
二つに
折て
枕にして
又も
手當次第の
書を
讀み
初める。
陶淵明の
所謂る「不
レ求
二甚解
一」
位は
未だ
可いが
時に一ページ
讀むに一
時間もかゝる
事がある。