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麻裏
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あさうら
ふりがな文庫
“
麻裏
(
あさうら
)” の例文
若い人は、いせいよく声をかけながら、新しい
麻裏
(
あさうら
)
ぞうりで要吉のまいた水の上を、ひょいひょいと
拾
(
ひろ
)
い
歩
(
ある
)
きにとんでいきました。
水菓子屋の要吉
(新字新仮名)
/
木内高音
(著)
「八、金藏は
麻裏
(
あさうら
)
草履をはいて、手拭を冠つて、鍬を持つて行つたんだぜ、——
財布
(
さいふ
)
は持つてゐなかつた筈だ。四日後に傳助が盜んだから」
銭形平次捕物控:102 金蔵の行方
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
それから店へ行っては、
鑵詰
(
かんづめ
)
を三つと、白砂糖を一袋と赤いレザーの緒のついた
麻裏
(
あさうら
)
を一足、すばやく風呂敷にくるんで、
袂
(
たもと
)
の影に
蔽
(
かく
)
すようにして私をつれて家を出た。
何が私をこうさせたか:――獄中手記――
(新字新仮名)
/
金子ふみ子
(著)
吉原
冠
(
かぶ
)
り、みじん柄の
素袷
(
すあわせ
)
、素足に
麻裏
(
あさうら
)
を突っかけた若い男、
弥蔵
(
やぞう
)
をこしらえて、意気なこえで
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
格子を開けようとして
覗
(
のぞ
)
くと、見
慣
(
な
)
れない
麻裏
(
あさうら
)
が一足、かれの帰りを待ち顔に並んでいる。
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
▼ もっと見る
御存じでせう、其穢多は今でも町はづれに
一団
(
ひとかたまり
)
に成つて居て、皆さんの
履
(
は
)
く
麻裏
(
あさうら
)
を
造
(
つく
)
つたり、靴や太鼓や三味線等を
製
(
こしら
)
へたり、あるものは又お百姓して
生活
(
くらし
)
を立てゝ居るといふことを。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
姉
(
あね
)
さま
唐茄子
(
とうなす
)
、
頬
(
ほう
)
かふり、
吉原
(
よしはら
)
かふりをするも
有
(
あ
)
り、
且那
(
だんな
)
さま
朝
(
あさ
)
よりお
留守
(
るす
)
にて、お
指圖
(
さしづ
)
し
給
(
たま
)
ふ
奧
(
おく
)
さまの
風
(
ふう
)
を
見
(
み
)
れば、
小褄
(
こづま
)
かた
手
(
て
)
に
友仙
(
ゆふぜん
)
の
長襦袢
(
ながじゆばん
)
下
(
した
)
に
長
(
なが
)
く、
赤
(
あか
)
き
鼻緒
(
はなを
)
の
麻裏
(
あさうら
)
を
召
(
めし
)
て、あれよ
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
此の三人を正面にして、少しさがりて
左手
(
ゆんで
)
には一様に
薄色
(
うすいろ
)
裾模様
(
すそもよう
)
の三枚がさね、
繻珍
(
しゆちん
)
の丸帯、髪はお
揃
(
そろひ
)
の
丸髷
(
まるまげ
)
、絹足袋に
麻裏
(
あさうら
)
と云ふいでたちの淑女四五人ずらりと立ち列ぶは外交官の夫人達。
燕尾服着初めの記
(新字旧仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
大抵は朝早くで、伯父は軽い
麻裏
(
あさうら
)
を穿き、ステッキを携へて悠々と歩いた。
世の中へ
(新字旧仮名)
/
加能作次郎
(著)
二人は
千筋
(
せんすじ
)
の手織り木綿の袷に双子縞の
羽折
(
はおり
)
、小倉の角帯をしめ、
麻裏
(
あさうら
)
草履をはいていた。ちょうど
黄昏
(
たそがれ
)
どきで、人の往来の多い小舟町の通りを東のほうへ、かくべつ目的もなくあるいていた。
さぶ
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
磯吉はふいと起って土間に下りて
麻裏
(
あさうら
)
を突掛けるや
戸外
(
そと
)
へ飛び出した。
竹の木戸
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
紺の前掛
麻裏
(
あさうら
)
草履。
別後
(新字旧仮名)
/
野口雨情
(著)
小三郎は殊勝らしく仏様の前で線香などを上げて居りましたが、
麻裏
(
あさうら
)
を突っかけて気軽にヒョイと顔を出しました。
銭形平次捕物控:236 夕立の女
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
吉原冠り、下ろし立ての
麻裏
(
あさうら
)
の音もなく、平馬の後からついて行く闇太郎——、河岸は暗し、頃は真夜中。いい気持そうに、
弥蔵
(
やぞう
)
をきめて、いくらか、
皺枯
(
しゃが
)
れた、
錆
(
さび
)
た調子で
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
今までどこに
潜
(
ひそ
)
んでいたのか、
縞
(
しま
)
の着物に
股引
(
ももひ
)
き
腹掛
(
はらが
)
け、
頭髪
(
あたま
)
も変えて、ちょいと前のめりに
麻裏
(
あさうら
)
を突っかけて、歩こうかという、すっかり職人姿の
舞台
(
いた
)
に付いているこの喬之助である。
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
紺の前掛
麻裏
(
あさうら
)
草履
別後
(新字旧仮名)
/
野口雨情
(著)
小三郎は殊勝らしく佛樣の前で線香などを上げてをりましたが、
麻裏
(
あさうら
)
を突つかけて氣輕にヒヨイと顏を出しました。
銭形平次捕物控:236 夕立の女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
紺の前掛
麻裏
(
あさうら
)
草履
雨情民謡百篇
(新字旧仮名)
/
野口雨情
(著)
平次はさう言ふうちにも手早く仕度を整へて、十手を一本
懷
(
ふところ
)
にブチ込むと、
鼻緒
(
はなを
)
の堅い
麻裏
(
あさうら
)
を突つかけるのです。
銭形平次捕物控:331 花嫁の幻想
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
帯をキュッと締め直すと、白磨きの十手を手拭に包んで懐の奥へ、
麻裏
(
あさうら
)
を突っかけて、パッと外へ飛出します。
銭形平次捕物控:005 幽霊にされた女
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
捕繩を
袂
(
たもと
)
に落して、十手を懷中に、
單衣
(
ひとへ
)
の裾を七三に端折つて、新しい
麻裏
(
あさうら
)
を突つかけます。
銭形平次捕物控:170 百足屋殺し
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「それも、女の下駄なんかぢやありません。職人や遊び人の履く
麻裏
(
あさうら
)
で踏んでありました」
銭形平次捕物控:011 南蛮秘法箋
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「真新しい
麻裏
(
あさうら
)
だよ。——雪の降る前に飛出して、大降りになってから帰ったんだろう」
銭形平次捕物控:117 雪の夜
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
そんなことを言ひながら八五郎は、錢形の親分が、わざ/\
誘
(
さそ
)
つてくれたのが嬉しくてたまらないらしく、帶を締め直して
麻裏
(
あさうら
)
を突つかけて、押し並んで下谷長者町に向ひました。
銭形平次捕物控:311 鬼女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
麻裏
(
あさうら
)
を突っかけて行って、お勝手から
這
(
は
)
い上がり、出刃庖丁を捜したが見えなかった。仕方がないから、
拳骨
(
げんこつ
)
で脅かすつもりで障子を開けると、周助は一と足先に斬られて血の海の中に死んでいた。
銭形平次捕物控:095 南蛮仏
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
麻裏
(
あさうら
)
を穿いて、
白磨
(
しろみが
)
きの十手を
懐
(
ふとこ
)
ろに落します。
銭形平次捕物控:376 橋の上の女
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
麻
常用漢字
中学
部首:⿇
11画
裏
常用漢字
小6
部首:⾐
13画
“麻裏”で始まる語句
麻裏草履
麻裏穿
麻裏製造