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雅致
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がち
ふりがな文庫
“
雅致
(
がち
)” の例文
朝鮮ものの
雅致
(
がち
)
については今更述べるまでもなかろう。工藝品の美しさに対して、自然の力を残しておくことは何より肝心だと思える。
陸中雑記
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
武蔵野と云う旅館は今もあるが、二十年前とは持主が変っているそうで、あの時分のは建物も古くさく、
雅致
(
がち
)
があったように思う。
吉野葛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
郷土的な趣味や
雅致
(
がち
)
あるものも、購買者が少なければ、製作者もこれに依って生活が出来ぬという経済的原因に支配されて、保存さるべきものが
土俗玩具の話
(新字新仮名)
/
淡島寒月
(著)
そのときの
傷痕
(
きずあと
)
も
古
(
ふる
)
びてしまって、
幹
(
みき
)
には、
雅致
(
がち
)
が
加
(
くわ
)
わり、
細
(
こま
)
かにしげった
緑色
(
みどりいろ
)
の
葉
(
は
)
は、ますます
金色
(
きんいろ
)
を
帯
(
お
)
び、
朝夕
(
あさゆう
)
、
霧
(
きり
)
にぬれて、
疾風
(
しっぷう
)
に
身
(
み
)
を
揺
(
ゆ
)
すりながら
しんぱくの話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
能面の
翁
(
おきな
)
のような
雅致
(
がち
)
のある顔つきの老人が、おだやかな口調でボツボツと話し合っている。
キャラコさん:11 新しき出発
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
▼ もっと見る
范
(
はん
)
十一娘は
※城
(
ろくじょう
)
の
祭酒
(
さいしゅ
)
の
女
(
むすめ
)
であった。小さな時からきれいで、
雅致
(
がち
)
のある姿をしていた。
封三娘
(新字新仮名)
/
蒲 松齢
(著)
其事物
如何
(
いか
)
に
雅致
(
がち
)
ある者なりとも、十七字に余りぬべき程の多量の意匠を十七字の中につづめん事は、
殆
(
ほとん
)
ど
為
(
な
)
し得べからざる者なれば、古来の俳人も皆之を試みざりしに似たり。
点心
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
扨
(
さ
)
てお話は
二岐
(
ふたみち
)
に分れ、白金台町に間口は
彼
(
か
)
れ
是
(
こ
)
れ二十
間
(
けん
)
許
(
ばか
)
りで、
生垣
(
いけがき
)
に成って居ります、門もちょっと屋根のある
雅致
(
がち
)
な
拵
(
こしら
)
えで、
後
(
うしろ
)
の方へまわると格子造りで、
此方
(
こちら
)
は勝手口で
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
五華山
(
ウーホワシャン
)
を中心に、
雅致
(
がち
)
のある黄色い
塀
(
へい
)
や、緑の
梁
(
はり
)
や、朱色の窓を持つ古風な家々を
雲南守備兵
(新字新仮名)
/
木村荘十
(著)
百姓家とは違って、庭は
綺麗
(
きれい
)
に
掃
(
は
)
き
浄
(
きよ
)
められ、植木や飛び石の配置にも
雅致
(
がち
)
があった。私には無論、そうしたことの味わいはわからなかったのだが、ただ、何とはなしに「いいな」と思った。
何が私をこうさせたか:――獄中手記――
(新字新仮名)
/
金子ふみ子
(著)
しかも明石はなれなれしさの過ぎるほどにも出過ぎたことなどはせず、紫夫人はまた相手を
軽蔑
(
けいべつ
)
するようなことは少しもせずに怪しいほど
雅致
(
がち
)
のある友情が
聡明
(
そうめい
)
な二女性の間にかわされていた。
源氏物語:33 藤のうら葉
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
玉蟲染
(
たまむしぞめ
)
の
天鵞絨
(
びろうど
)
のやうな
薔薇
(
ばら
)
の花、
紅
(
あか
)
と
黄
(
き
)
の品格があつて、人の
長
(
をさ
)
たる
雅致
(
がち
)
がある
玉蟲染
(
たまむしぞめ
)
の
天鵞絨
(
びろうど
)
のやうな
薔薇
(
ばら
)
の花、
成上
(
なりあがり
)
の姫たちが着る
胴着
(
どうぎ
)
、
似而非
(
えせ
)
道徳家もはおりさうな
衣服
(
きもの
)
、
僞善
(
ぎぜん
)
の花よ
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
悲哀な湿りツぽい景色にまた何とも云へぬ
雅致
(
がち
)
がある。
死線を越えて:01 死線を越えて
(新字旧仮名)
/
賀川豊彦
(著)
否、それでないと充分でない。なぜならこのような事情ばかりが、凡ての自然な
雅致
(
がち
)
を保障するからである。
日田の皿山
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
しかれども妾は左様には思わず、藪鶯は時と所を得て始めて
雅致
(
がち
)
あるように聞ゆるなり、その声を論ずれば
未
(
いま
)
だ美なりと云う
可
(
べ
)
からず、これに反して天鼓のごとき名鳥の囀るを聞けば
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
わざとらしき釉、ひねくれた姿、人々はそれを
雅致
(
がち
)
だと思い込むほど盲目になった。これを喜んで作る者が悪いのか、買う者が悪いのか、それとも注文する者が悪いのか。
北九州の窯
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
雅
常用漢字
中学
部首:⾫
13画
致
常用漢字
中学
部首:⾄
10画
“雅”で始まる語句
雅
雅楽
雅楽頭
雅典
雅味
雅邦
雅量
雅号
雅懐
雅人