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かねばこ
ふりがな文庫
“
金箱
(
かねばこ
)” の例文
「まこともまこと、あれはやつがれ方の
金箱
(
かねばこ
)
でござりますゆえ、うちのもの共も八方手分けを致しまして、大騒ぎの最中でござります」
旗本退屈男:10 第十話 幽霊を買った退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
「
頭領
(
かしら
)
、そう
落胆
(
がっかり
)
するにもあたりませんぜ。こんな時にゃいつでも用の弁じる
金箱
(
かねばこ
)
を頭領は持っているはずじゃありませんか」
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
又「僕も
金箱
(
かねばこ
)
と思ってるよ、じたばたすれば巡査が聞付けて来るように
態
(
わざ
)
と大きな声をするぞ、事が破れりゃア同罪だ」
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
片手には
金箱
(
かねばこ
)
のようなものを抱え、覆面して脇差を一本差し、怪しいと兵馬が思う間に、その男は金箱を濠の端に置いて櫓の方へ、また取って返しました。
大菩薩峠:10 市中騒動の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
知合ひを
辿
(
たど
)
つて、手傳ひに雇入れただけで、
金箱
(
かねばこ
)
の鍵まで預けるやうな白鼠ではないやうです。
銭形平次捕物控:210 飛ぶ女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
それでも娘がいい旦那をつかまえているので、まあ楽隠居のような訳だったのですが、その
金箱
(
かねばこ
)
が不意にこんなことになってしまっては、お
父
(
とっ
)
さんもさぞ力を落しているでしょうよ。
蜘蛛の夢
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
私
(
わたし
)
は、おまえに、たくさんな
宝
(
たから
)
を
残
(
のこ
)
してやりたいと
思
(
おも
)
ったのが、みんな、いまは、
金箱
(
かねばこ
)
といっしょに
海
(
うみ
)
の
底
(
そこ
)
に
沈
(
しず
)
んでしまった。もうおまえにやるものがない。ただオルゴール一つだけだ。
汽船の中の父と子
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
語
(
かた
)
りければ夫こそ
屈竟
(
くつきやう
)
の事なりとて兩人
相談
(
さうだん
)
の
上
(
うへ
)
同く十七年十月二十八日の夜
雨
(
あめ
)
は車軸を流し
四邊
(
あたり
)
は
眞闇
(
まつくら
)
なれば是ぞ幸ひなりと兩人は
黒裝束
(
くろしやうぞく
)
に目ばかり
頭巾
(
づきん
)
にて島屋の店へ忍び入
金箱
(
かねばこ
)
に手を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「———『
風袋
(
かぜぶくろ
)
に、とりばち、
銭叺
(
ぜにがます
)
、小判に、
金箱
(
かねばこ
)
、
立烏帽子
(
たてえぼし
)
、………』」
細雪:03 下巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
傍に在る
金箱
(
かねばこ
)
に手をかけようとしました。
白髪小僧
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
彼等は一旦その近所の
太宗寺
(
たいそうじ
)
内へ逃げ込んで、
金箱
(
かねばこ
)
のなかをあらためると、銀と銭とを併せて二両ほどしか無かつた。思ひのほかに少いとは思つたが、二人はそれを山分けにして別れた。
赤膏薬
(新字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
父親
(
ちちおや
)
は、
取引
(
とりひき
)
がすむと、
重
(
おも
)
そうに
金
(
かね
)
を
抱
(
だ
)
いて、
船
(
ふね
)
の
中
(
なか
)
に、
子供
(
こども
)
をつれて
帰
(
かえ
)
ってきました。そして、それを
金箱
(
かねばこ
)
の
中
(
なか
)
に、
大事
(
だいじ
)
にしてしまいました。その
箱
(
はこ
)
はがんこに、
真
(
ま
)
っ
黒
(
くろ
)
な
鉄
(
てつ
)
で
造
(
つく
)
られていました。
汽船の中の父と子
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
爭
(
あらそ
)
ひ入り來る故實に松葉屋の
大黒柱
(
だいこくばしら
)
金箱
(
かねばこ
)
と
持
(
もて
)
はやされ
全盛
(
ぜんせい
)
双
(
なら
)
ぶ方なく時めきける
中
(
うち
)
早
(
はや
)
其年も暮て享保七年四月
中旬
(
なかば
)
上方
(
かみがた
)
の客仲の町の
桐屋
(
きりや
)
と云ふ茶屋より松葉屋へ
上
(
あが
)
りけるに三人連にて
歴々
(
れき/\
)
と見え
歌浦
(
うたうら
)
八重咲
(
やへざき
)
幾世
(
いくよ
)
とて何も
晝三
(
ちうさん
)
の
名題
(
なだい
)
遊女を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
熱い膏薬を
両眼
(
りょうがん
)
に貼り付けられて、
俄盲
(
にわかめくら
)
になつた上に、相手は
兎
(
と
)
もかくも侍ふたりである。善吉は
唯
(
ただ
)
おめ/\と身を
竦
(
すく
)
ませてゐると、彼等は帳場の
金箱
(
かねばこ
)
を引つかゝへてばた/\と逃げ出した。
赤膏薬
(新字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
そして、このとき、
父親
(
ちちおや
)
の
大事
(
だいじ
)
にしておいた、
鉄
(
てつ
)
で
造
(
つく
)
られた
金箱
(
かねばこ
)
が
転
(
ころ
)
がって、
海
(
うみ
)
の
底
(
そこ
)
深
(
ふか
)
く
沈
(
しず
)
んでしまったのであります。そればかりでなく、
小
(
ちい
)
さな
汽船
(
きせん
)
は、
砂浜
(
すなはま
)
の
上
(
うえ
)
へ、
打
(
う
)
ち
上
(
あ
)
げられてしまいました。
汽船の中の父と子
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
金
常用漢字
小1
部首:⾦
8画
箱
常用漢字
小3
部首:⽵
15画
“金箱”で始まる語句
金箱娘