酒氣しゆき)” の例文
新字:酒気
かれたゞそのくせしたらしてごくりとつばむのみであつた。つぎあさつて酒氣しゆきこと/″\かれ身體からだから發散はつさんつくしたらかれ平生へいぜい卯平うへいであつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
……酒氣しゆき天井てんじやうくのではない、いんこもつてたゝみけこげをころ𢌞まはる。あつかんごと惡醉あくすゐたけなはなる最中さいちう
春着 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
御米およね小六ころく憮然ぶぜんとしてゐる姿すがたて、それを時々とき/″\酒氣しゆきびてかへつてる、何所どこかに殺氣さつきふくんだ、しかもなにしやくさはるんだかわけわからないでゐてはなは不平ふへいらしい小六ころく比較ひかくすると
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
小六ころくちやすこ躊躇ちうちよしてゐたが、あにからまた二聲ふたこゑほどつゞけざまにおほきなこゑけられたので、やむひく返事へんじをして、ふすまからかほした。其顏そのかほ酒氣しゆきのまだめないあかいろふちびてゐた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)