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しゆき
御米は
小六の
憮然としてゐる
姿を
見て、それを
時々酒氣を
帶びて
歸つて
來る、
何所かに
殺氣を
含んだ、しかも
何が
癪に
障るんだか
譯が
分らないでゐて
甚だ
不平らしい
小六と
比較すると
小六は
茶の
間で
少し
躊躇してゐたが、
兄から
又二聲程續けざまに
大きな
聲を
掛けられたので、
已を
得ず
低い
返事をして、
襖から
顏を
出した。
其顏は
酒氣のまだ
醒めない
赤い
色を
眼の
縁に
帶びてゐた。
きよろ/\
四辺を見廻して居たが
吻と
酒気を吐き、舌打して再び内によろめき込んだ。