かゞやき)” の例文
この歌は、かのうるはしき笛よりいで、さながら元のかゞやきうつれる光にまさる如く、われらのムーゼわれらのシレーネにまさる 七—九
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
何方どつちが負けたにした所で、しんいきほひを失ふといふ事にもならず、美がかゞやきを減ずるといふ羽目はめにも陥る危険はないぢやありませんか
点頭録 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
さうして其眼そのめにはあたゝか健全けんぜんかゞやきがある、かれはニキタをのぞくのほかは、たれたいしても親切しんせつで、同情どうじやうつて、謙遜けんそんであつた。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
つき晃々きら/\まどたので、戞然からりたまはこひらいたやうに、山々やま/\谷々たに/″\錦葉もみぢにしきは、照々てら/\かゞやきびてさつまへまた卷絹まきぎぬ解擴ときひろげた。が、すゑ仄々ほの/″\うすく。
魔法罎 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
弥撒ミサを行ふ間は、わが心自づと強く、身もしまつて、尊い葡萄酒のかゞやきは眼に満ちわたり、聖なる御油みあぶらに思も潤ふが、このわが廊堂の人げない処へ来ると、此世のつかれ崩折くづをれて、くゞまるともかまひない。
法王の祈祷 (新字旧仮名) / マルセル・シュウォッブ(著)
視力もとかへりてちひさきかゞやきに堪ふるに及び(わがこれを小さしといへるはしひてわが目を離すにいたれる大いなる輝に比ぶればなり)
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
やがてブランギンのところた。代助は平生から此装飾画家に多大の趣味を有つてゐた。かれつねの如くかゞやきを帯びて、一度ひとたびは其うへちた。それは何処どこかのみなとの図であつた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
あゝ生くるとこしへの光のかゞやきよ、パルナーゾの蔭に色あをざめまたはその泉の水をいかに飮みたる者といふとも 一三九—一四一
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
生くる光わが身のまはりを照らし、そのかゞやき面帕かほおほひをもて我を卷きたれば、何物も我に見えざりき 四九—五一
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
萬物を動かす者の榮光あまねく宇宙を貫くといへどもそのかゞやきの及ぶこと一部に多く一部に少し 一—三
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
我はそのかゞやきひときは重くわが額をすをおぼえしかば、事のくすしきにおどろきて 一〇—一二
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)