観察かんさつ)” の例文
旧字:觀察
その予備知識よびちしきがあつて、ことさらにたずねてみたのだから、自然しぜんにこちらも、注意ちゅういぶかくこの重役じゅうやく態度たいど観察かんさつしていたわけである。
金魚は死んでいた (新字新仮名) / 大下宇陀児(著)
わたくしも、同感どうかんでした。それに、おじさんを観察かんさつして、信用しんようしていいとおもったから、いわれるままに、三輪車りんしゃのあきばこへりました。
どこかで呼ぶような (新字新仮名) / 小川未明(著)
犯人は洋服姿の大男で、中指のない四本指の右手が最大の特徴とくちょう凶器きょうきせられつつ沈着なる宿直員の観察かんさつ
香水紳士 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
だんだん成長せいちょうするにつれて、教育上何等の作意さくいを加えないようにつとめる。丁度科学実験のために、観察かんさつしているような冷静さである。しかし妙なものでそのうちに個性を発揮はっきしてくる。
親は眺めて考えている (新字新仮名) / 金森徳次郎(著)
ただ自分も判然とそれを自覚しなければ、世間の人は無論、親さえも明らかに観察かんさつすることはできない。しかるに、この混沌こんとんたる有様ありさまのなかにも、おのずから輪廓りんかくだけはぼんやりと現れている。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
そのかわり、おちついて、いろや、姿すがたをよく観察かんさつする機会きかいあたえられたのをよろこび、ちょうのはねについている模様もようまで、つくづくとながめたのでした。
心の芽 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ここが心にかなわぬとか、あのふうが気にくわぬとかいう、弱点のみを心の奥にある葛籠つづらに詰め込むか、あるいは善良なる観察かんさつと思想を入るるかは、精神の持ちよういかんによってできるものと信ずる。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
沈着ちんちゃくなる宿直員の観察かんさつ
香水紳士 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
博雄を観察かんさつする
親は眺めて考えている (新字新仮名) / 金森徳次郎(著)
正吉しょうきちは、選挙せんきょに一ぴょうとうじてから、社会人しゃかいじんになれたという、つよ自覚じかくをもつと同時どうじに、自然しぜん観察かんさつから、また仕事しごとのうえにもだいなる自信じしんました。
心の芽 (新字新仮名) / 小川未明(著)
かみさまが、一しょうかかって観察かんさつするだけのものを一瞬間しゅんかんせてくださったのだと、ところが、今日きょうぼくにはこの野原のはら景色けしきがたとえようなくうつくしくえるのだ。
戦友 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ぼくは、こんなに、こころのあわただしいあいだにも、自分じぶん観察かんさつというものをおこたりませんでした。ぼくたちの、おんな先生せんせいが、あねといくつもとしのちがわないことをりました。
だれにも話さなかったこと (新字新仮名) / 小川未明(著)
あるわたし偶然ぐうぜんまえあるいていく三にん子供こどもを、観察かんさつすることができました。
ひとをたのまず (新字新仮名) / 小川未明(著)
そんなくわしいことまで、いつおとうと観察かんさつしていたのだろうとびっくりしました。
ある夏の日のこと (新字新仮名) / 小川未明(著)
しょうちゃんのかいたをごらんなさっているうちに、自分じぶん子供こども時分じぶんに、よくむし観察かんさつして、とんぼの背中せなかにはおかんのんさまがあるといったものであるが、そのかんのんさまのおすがたまで
おさらい帳 (新字新仮名) / 小川未明(著)