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見晴
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みはらし
ふりがな文庫
“
見晴
(
みはらし
)” の例文
「奥の
離座敷
(
はなれざしき
)
だよ、……船の間——とおいでなすった。ああ、
佳
(
い
)
い
見晴
(
みはらし
)
、と言いてえが、暗くッて
薩張
(
さっぱり
)
分らねえ。」
浮舟
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
そこはちょっとした
見晴
(
みはらし
)
で、打開けた一面の畑の下に、遠くどこの町とも知れない町が、雲と霞との間からぼんやりと見える。しばらくそれを見ていたが、たしかに町に相違ない。
西班牙犬の家:(夢見心地になることの好きな人々の為めの短篇)
(新字新仮名)
/
佐藤春夫
(著)
「どうぞ
此方
(
こちら
)
へお
出
(
いで
)
あそばしまして。ここが一番
見晴
(
みはらし
)
が
宜
(
よろし
)
いのでございます」
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
お島の導かれたのは、ある古い
家建
(
やだち
)
の
見晴
(
みはらし
)
のいい二階の一室であったが、女中に
浴衣
(
ゆかた
)
に着替えさせられたり、建物のどん底にあるような浴場へ案内されたりする
度
(
たんび
)
に、一人客の寂しさが感ぜられた。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
その突当りの、柳の樹に、軒燈の掛った
見晴
(
みはらし
)
のいい誰かの
妾宅
(
しょうたく
)
の貸間に居た、露の垂れそうな綺麗なのが……ここに緋縮緬の女が似たと思う、そのお千さんである。
売色鴨南蛮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
その
崩
(
くずれ
)
が豊国へ入って、大廻りに舞台が
交
(
かわ
)
ると上野の
見晴
(
みはらし
)
で
勢揃
(
せいぞろい
)
というのだ、それから二
人
(
にん
)
三人ずつ別れ別れに大門へ
討入
(
うちいり
)
で、格子さきで
胄首
(
かぶと
)
と見ると
名乗
(
なのり
)
を上げた。
註文帳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
梓が上京して後東京の地において
可懐
(
なつかし
)
いのは湯島であった。湯島もその
見晴
(
みはらし
)
の鉄の欄干に
凭
(
よ
)
って、升形の家が取囲んでいる天神下の一
廓
(
かく
)
を
詠
(
なが
)
めるのが最も多く可懐しかった。
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
おい
邪魔
(
じやま
)
になると
惡
(
わる
)
いよと
北八
(
きたはち
)
を
促
(
うなが
)
し、
道
(
みち
)
を
開
(
ひら
)
いて、
見晴
(
みはらし
)
に
上
(
のぼ
)
る。
名
(
な
)
にし
負
(
お
)
ふ
今戸
(
いまど
)
あたり、
船
(
ふね
)
は
水
(
みづ
)
の
上
(
うへ
)
を
音
(
おと
)
もせず、
人
(
ひと
)
の
家
(
いへ
)
の
瓦屋根
(
かはらやね
)
の
間
(
あひだ
)
を
行交
(
ゆきか
)
ふ
樣
(
さま
)
手
(
て
)
に
取
(
と
)
るばかり。
水
(
みづ
)
も
青
(
あを
)
く
天
(
てん
)
も
青
(
あを
)
し。
弥次行
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
やがて
東華門
(
とうくわもん
)
に
至
(
いた
)
ると、こゝに、
一大旅店
(
いちだいりよてん
)
、
築地
(
つきぢ
)
ホテルと
言
(
い
)
ふ
構
(
かま
)
へのがある。
主人
(
しゆじん
)
は
此處
(
こゝ
)
に、と
少年
(
せうねん
)
の
導
(
みちび
)
くまゝに、
階子
(
はしご
)
を
上
(
のぼ
)
つて、
其
(
そ
)
の
手代
(
てだい
)
は
二階
(
にかい
)
の
一室
(
いつしつ
)
、
表通
(
おもてどほ
)
りの
見晴
(
みはらし
)
と
云
(
い
)
ふのへ
通
(
とほ
)
る。
人参
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
見
常用漢字
小1
部首:⾒
7画
晴
常用漢字
小2
部首:⽇
12画
“見”で始まる語句
見
見惚
見物
見出
見下
見上
見送
見透
見做
見当