見届みとど)” の例文
旧字:見屆
でもみずの中に少女おとめたちがどうするか、様子ようす見届みとどけて行きたいとおもって、羽衣はごろもをそっとかかえたまま、木のかげにかくれてていました。
白い鳥 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
「いよいよあの船へ、角鹿町つるがまち和唐屋わとうやから一まんりょうの銀を送りこみましたぜ。船積みするところまでたしかに見届みとどけてきました」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「そちは大事な場所をよく見届みとどけておいてくれた」とおほめになり、置目老媼おきめのおみなという名をおくだしになりました。
古事記物語 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
そこで、捕手とりてはチユウヤの門の前で『火事だ、火事だ』といふ声をあげた。チユウヤは火事を見届みとどけるために、門の外へ走り出した。捕手とりてはそれを襲撃した。
日本の女 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
あの人はだれか人をぼうと思って見回しながら、声をかけると、一人の男が木のかげから出て来て、あわててにげ出したそうだよ。おまえをてた男が、だれか拾うか見届みとどけていたとみえる。
「うむ。ちょいとおまえいそいでって、見届みとどけといで」
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
もうおまへ心底しんていをよく見届みとどけたと
悲しき玩具 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
民蔵は縄目なわめにかけた伊那丸を、梅雪入道の前へひきすえた。拝殿の上から、とくと、見届みとどけた梅雪は、大きくうなずいて
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ひめさまのおとうさまとおかあさまは、ふしぎにおもって、どうかしてそのお婿むこさんの正体しょうたい見届みとどけたいとおもいました。そこである日おひめさまにかって
三輪の麻糸 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
そのあくる朝早く、検事けんじはあのわれわれのお友だちの獣医じゅうい君といっしょにやって来た。獣医君はなんでもわたしたちが放免ほうめんになるのを見届みとどけたいといって、わざわざやって来てくれたのであった。
そこで毎晩まいばん御所ごしょまも武士ぶしおおぜい、天子てんしさまのおやすみになる御殿ごてん床下ゆかしたずのばんをして、どうかしてこのあやしいごえ正体しょうたい見届みとどけようといたしました。
(新字新仮名) / 楠山正雄(著)
そのとき六部ろくぶは、「どうもかみさまといっているが、これはきっとなにかのわるものちがいない、ちょうどさいわ今夜こんやはここに一晩ひとばんまって、悪神わるがみ正体しょうたい見届みとどけてやろう。」という決心けっしんをしました。
しっぺい太郎 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)