ほんの一瞬間だつたから、顏立ちも何もわからなかつたが、銀杏返に結つたほつそりした娘で、行人の足音に目をあげて往來を見た時、三田の視線と視線が合つた。
萠野ゆきむらさき野ゆく行人に霰降るなりきさらぎの春
“行人”の意味
“行人”の解説
『行人』(こうじん)は、夏目漱石の長編小説。1912年12月6日から1913年11月5日まで、『朝日新聞』に連載された。ただし、4月から9月まで作者病気(胃潰瘍)のため、5ヶ月の中断がある。1914年1月刊。
『行人』は、「友達」「兄」「帰ってから」「塵労」の4つの編から成り立っている。男女について、近代知識人の苦悩を描く。『彼岸過迄』に続き『こゝろ』に繋がる、後期3部作の2作目。
(出典:Wikipedia)
『行人』は、「友達」「兄」「帰ってから」「塵労」の4つの編から成り立っている。男女について、近代知識人の苦悩を描く。『彼岸過迄』に続き『こゝろ』に繋がる、後期3部作の2作目。
(出典:Wikipedia)