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茹
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ゆだ
ふりがな文庫
“
茹
(
ゆだ
)” の例文
実際ね、先生にとっ捕まっちゃ百年目。この世に有りとあらゆる悪事の総
浚
(
ざら
)
いをされるんだから、たいがい
茹
(
ゆだ
)
ってしまうのです。
犂氏の友情
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
私と
袖
(
そで
)
を合わせて立った、
橘
(
たちばな
)
八郎が、ついその番傘の下になる……
蜆
(
しじみ
)
の
剥身
(
むきみ
)
の
茹
(
ゆだ
)
ったのを笊に盛って
踞
(
つくば
)
っている
親仁
(
おやじ
)
に言った。
卵塔場の天女
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
汗は止め
度
(
ど
)
なく流れて、皆
茹
(
ゆだ
)
ったような顔をしている。喉は渇くが水がない。矢川の部落まで行くと漸く谷川が流れていた。
朝香宮殿下に侍して南アルプスの旅
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
「まア、取つて置くがいゝ。大名ほどの
贅
(
ぜい
)
は出來めえが、それだけありや、町内の人參湯で一日
茹
(
ゆだ
)
つてゐられるだらう」
銭形平次捕物控:077 八五郎の恋
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
私の肉体は盛り出した暑さに
茹
(
ゆだ
)
るにつれ、心はひたすら、あのうねる樹幹の
鬱蒼
(
うっそう
)
の下に粗い
歯朶
(
しだ
)
の清涼な葉が針立っている幻影に浸り入っていた。
河明り
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
▼ もっと見る
「ああびっくりした」若さまは
茹
(
ゆだ
)
って赤くなった体から、不動明王のように湯煙を立てながら出て来た。
若殿女難記
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
おれは小さい時には顏に青筋が出てゝ、
酷
(
ひど
)
い疳性で皆んなを
手古摺
(
てこず
)
らせたさうだよ。
炒粉
(
いりこ
)
が思ふやうに
茹
(
ゆだ
)
らないと云つて泣き入つたまゝ氣絶して、一時は助らないと思はれたさうだ。
母と子
(旧字旧仮名)
/
正宗白鳥
(著)
お
品
(
しな
)
は二三
軒
(
けん
)
そつちこつちと
歩
(
ある
)
いて
見
(
み
)
てから
隣
(
となり
)
の
門
(
もん
)
を
潜
(
くゞ
)
つたのであつた。
傭人
(
やとひにん
)
は
大釜
(
おほがま
)
の
下
(
した
)
にぽつぽと
火
(
ひ
)
を
焚
(
た
)
いてあたつて
居
(
ゐ
)
る。
風呂
(
ふろ
)
から
出
(
で
)
ても
彼等
(
かれら
)
は
茹
(
ゆだ
)
つたやうな
赤
(
あか
)
い
腿
(
もゝ
)
を
出
(
だ
)
して
火
(
ひ
)
の
側
(
そば
)
へ
寄
(
よ
)
つた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
風呂に漬かるとどんなに皮膚の
綺麗
(
きれい
)
な女でも、一時は肌が
茹
(
ゆだ
)
り過ぎて、指の先などが赤くふやけるものですが、やがて体が適当な温度に冷やされると、始めて
蝋
(
ろう
)
が固まったように透き
徹
(
とお
)
って来る。
痴人の愛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
暑さに
茹
(
ゆだ
)
って昼寝でもしているのか、甲板に散歩の人影も多くない。
はなしの話
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
もう
茹
(
ゆだ
)
った時分でござろう。
鼻
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「まア、取っておくがいい。大名ほどの
贅
(
ぜい
)
は出来めえが、それだけありゃ、町内の
人参湯
(
にんじんゆ
)
で一日
茹
(
ゆだ
)
っていられるだろう」
銭形平次捕物控:077 八五郎の恋
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
彼は次に、焜炉にかけた陶器鍋の
蓋
(
ふた
)
に手をかけ、やあっと掛声してその蓋を高く
擡
(
もた
)
げた。大根の
茹
(
ゆだ
)
った
匂
(
にお
)
いが、汁の煮出しの匂いと共に湯気を上げた。
食魔
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
大釜
(
おおがま
)
に湯気を
濛々
(
もうもう
)
と、狭い
巷
(
ちまた
)
に
漲
(
みなぎ
)
らせて、
逞
(
たくま
)
しい
漢
(
おのこ
)
が
向顱巻
(
むこうはちまき
)
で
踏
(
ふみ
)
はだかり、青竹の
割箸
(
わりばし
)
の逞しいやつを使って、
押立
(
おった
)
ちながら、二尺に余る
大蟹
(
おおがに
)
の
真赤
(
まっか
)
に
茹
(
ゆだ
)
る処をほかほかと引上げ引上げ
卵塔場の天女
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「秀、よく解つたよ。
手前
(
てめえ
)
がこれをキツカケに眞人間に返れば、俺は何にも知らないことにしてやらう。千兩箱は多分、湯釜の中で
茹
(
ゆだ
)
つて居る筈だ、急いで行きな」
銭形平次捕物控:009 人肌地藏
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「秀、よく解ったよ。手前がこれをキッカケに真人間に返れば、俺は何にも知らないことにしてやろう。千両箱は多分、湯釜の中で
茹
(
ゆだ
)
っているはずだ、急いで行きな」
銭形平次捕物控:009 人肌地蔵
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
茹
漢検1級
部首:⾋
9画
“茹”を含む語句
茹蛸
塩茹
茹章魚
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釜茹
丸茹
菜茹
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真茹
...