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しばさんない
ふりがな文庫
“
芝山内
(
しばさんない
)” の例文
それは、
芝山内
(
しばさんない
)
の、
紅葉館
(
こうようかん
)
に、漆黒の髪をもって、
撥
(
ばち
)
の音に非凡な
冴
(
さ
)
えを見せていた、三味線のうまい京都生れのお
鹿
(
しか
)
さんだった。
モルガンお雪
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
しかるにわが東京においてはもし
鬱然
(
うつぜん
)
たる樹木なくんばかの壮麗なる
芝山内
(
しばさんない
)
の
霊廟
(
れいびょう
)
とても完全にその美とその威儀とを保つ事は出来まい。
日和下駄:一名 東京散策記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
時は九月の初め、
紅塵
(
こうぢん
)
飜
(
ひるが
)
へる街頭には
尚
(
な
)
ほ
赫燿
(
かくやく
)
と暑気の残りて見ゆれど、
芝山内
(
しばさんない
)
の森の
下道
(
したみち
)
行く袖には、早くも秋風の涼しげにぞひらめくなる
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
そんな事を言いながら、三人は
芝山内
(
しばさんない
)
から
麻布狸穴
(
あざぶまみあな
)
へ、うらうらとゆらぐ、街の
陽炎
(
かげろう
)
を泳ぐように
辿
(
たど
)
っていたのです。
銭形平次捕物控:076 竹光の殺人
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
某
(
なにがし
)
法學士
(
はふがくし
)
洋行
(
やうかう
)
の
送別會
(
そうべつくわい
)
が
芝山内
(
しばさんない
)
の
紅葉館
(
こうえふくわん
)
に
開
(
ひら
)
かれ、
會
(
くわい
)
の
散
(
さん
)
じたのは
夜
(
よ
)
の八
時
(
じ
)
頃
(
ごろ
)
でもあらうか。
其崩
(
そのくづれ
)
が七八
名
(
めい
)
、
京橋區
(
きやうばしく
)
彌左衞門町
(
やざゑもんちやう
)
の
同好倶樂部
(
どうかうくらぶ
)
に
落合
(
おちあ
)
つたことがある。
日の出
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
▼ もっと見る
これについて見るに
芝山内
(
しばさんない
)
の学寮は文化三年三月四日火災に
罹
(
かか
)
った後、再建せられたものが八十二宇ほどあった。
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
静かに来り触れて、我が呼吸を
促
(
うな
)
がす、目を放てば高輪三田の高台より
芝山内
(
しばさんない
)
の森に至るまで、見ゆる限りは
白妙
(
しらたへ
)
の
帷帳
(
とばり
)
の
下
(
もと
)
に、
混然
(
こんぜん
)
として夢尚ほ
円
(
まどか
)
なるものの如し
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
中には
伯爵家
(
はくしゃくけ
)
の令嬢なども見えていましたが夜の十時頃
漸
(
ようや
)
く散会になり僕はホテルから
芝山内
(
しばさんない
)
の
少女
(
むすめ
)
の宅まで、月が
佳
(
よ
)
いから歩るいて送ることにして母と三人ぶらぶらと
行
(
や
)
って来ると
牛肉と馬鈴薯
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
愚僧は
芝山内
(
しばさんない
)
青樹院
(
せいじゅいん
)
と申す学寮の住職
雲石殿
(
うんせきどの
)
、
年来
(
ねんらい
)
父上とは
昵懇
(
じっこん
)
の間柄にて有之候まゝ、右の学寮に寄宿
仕
(
つかまつ
)
り、従前通り江戸
御屋敷
(
おやしき
)
御抱
(
おかかえ
)
の儒者松下先生につきて
朱子学
(
しゅしがく
)
出精
罷在
(
まかりあり
)
候処
榎物語
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
ヒユウ/\と枝を鳴らせる寒風も、今は収まりて、電燈の光
寂
(
さび
)
しき
芝山内
(
しばさんない
)
の真夜中を山木剛造の玄関には、
何処
(
いづく
)
にか行かんとすらん、一子剛一の
今
(
い
)
ま自転車に点火せんとしつゝあり
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
方角も
始
(
はじめ
)
て判明致候間、急ぎ
芝山内
(
しばさんない
)
へ立戻り候へども、実は
今日
(
こんにち
)
まで、身は
持崩
(
もちくず
)
し候てもさすがに外泊致候事は一度も無之、いつも夜の明けぬ中立戻り、人知れず寝床にもぐりをり候事故
榎物語
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
わたくしは響のわたって来る方向から推測して
芝山内
(
しばさんない
)
の鐘だときめている。
鐘の声
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
麻布
(
あざぶ
)
の
古川
(
ふるかは
)
は
芝山内
(
しばさんない
)
の裏手近く其の名も
赤羽川
(
あかばねがは
)
と名付けられるやうになると、
山内
(
さんない
)
の樹木と
五重塔
(
ごぢゆうのたう
)
の
聳
(
そび
)
ゆる
麓
(
ふもと
)
を
巡
(
めぐ
)
つて
舟揖
(
しうしふ
)
の便を与ふるのみか、
紅葉
(
こうえふ
)
の頃は
四条派
(
しでうは
)
の絵にあるやうな景色を見せる。
水 附渡船
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
麻布
(
あざぶ
)
の
古川
(
ふるかわ
)
は
芝山内
(
しばさんない
)
の裏手近くその名も
赤羽川
(
あかばねがわ
)
と名付けられるようになると、山内の樹木と
五重塔
(
ごじゅうのとう
)
の
聳
(
そび
)
ゆる麓を巡って
舟楫
(
しゅうしゅう
)
の便を与うるのみか、
紅葉
(
こうよう
)
の頃は
四条派
(
しじょうは
)
の絵にあるような景色を見せる。
日和下駄:一名 東京散策記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
自分が
頻
(
しきり
)
に
芝山内
(
しばさんない
)
の
霊廟
(
れいびょう
)
を崇拝して止まないのも全くこの心に等しい。しかしレニエエは既に世界の大詩人である。彼と我と、その思想その詩才においては、いうまでもなく天地雲泥の相違があろう。
霊廟
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
芝
常用漢字
中学
部首:⾋
7画
山
常用漢字
小1
部首:⼭
3画
内
常用漢字
小2
部首:⼌
4画
“芝”で始まる語句
芝生
芝居
芝
芝翫
芝草
芝口
芝原
芝浦
芝居気
芝田