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繋
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かか
ふりがな文庫
“
繋
(
かか
)” の例文
浅井一人に、自分の生活のすべてが
繋
(
かか
)
っているように思われた。男の頼もしさが、いつもよりも強い力でお増の心に盛り返されて来た。
爛
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
その犯罪手段や探偵方針のハイカラかハイカラでないかに
繋
(
かか
)
っているものでない事は、一八〇〇年時代の探偵記録や裁判
聞書
(
ききがき
)
が
暗黒公使
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
第四階級は他階級からの
憐憫
(
れんびん
)
、同情、好意を返却し始めた。かかる態度を拒否するのも促進するのも一に
繋
(
かか
)
って第四階級自身の意志にある。
宣言一つ
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
二人の話の途切れに……すぐ近くの杭の
繋
(
かか
)
り
舟
(
ぶね
)
の
苫
(
とま
)
から、またしても、さっきの
甲
(
かん
)
だかい赤子の泣き声が、
水谺
(
みずこだま
)
をよんでいた。
私本太平記:03 みなかみ帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
川には木造の軍艦が一艘、西郷征伐に用いたかの如き、怪しげな大砲の口を出しながら、琵琶亭のほとりに
繋
(
かか
)
っている。
長江游記
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
▼ もっと見る
「
繋
(
かか
)
つてゐる舟でも、河岸の家でも、もう段々明りを消してゐます。ドルフも今に帰つて来ませうよ。」
聖ニコラウスの夜
(新字旧仮名)
/
カミーユ・ルモンニエー
(著)
七処女の真名井の天女・八処女の系統の
東遊
(
アヅマアソビ
)
天人も、
飛行
(
ヒギヤウ
)
の力は、天の羽衣に
繋
(
かか
)
っていた。だが私は、神女の身に、羽衣を被るとするのは、伝承の推移だと思う。
水の女
(新字新仮名)
/
折口信夫
(著)
泣く泣く無念を忍び申候事に御座候が、其錦に深き思の
繋
(
かか
)
り候ほど、これ見よがしに着たる女こそ、憎くも、
悔
(
くやし
)
くも、
恨
(
うらめし
)
くも、謂はうやう無き心の内と察せられ申候。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
大異の頸には
鉄組
(
くさり
)
が
繋
(
かか
)
り、腰には
皮※
(
かわひも
)
が
※
(
つ
)
いた。大異はもうどうすることもできなかった。
太虚司法伝
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
第一に、工場が建って、岸に添うて人家もあれば、運送船も多く
繋
(
かか
)
っているが、その頃の寂しさと云ったら無いのであった。それに、川筋も多少違い、
蘆荻
(
ろてき
)
の繁茂も非常であった。
悪因縁の怨
(新字新仮名)
/
江見水蔭
(著)
一にその日一つに
繋
(
かか
)
っているような気持で、日々を送っていたのであった。
陰獣トリステサ
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
その
繋
(
かか
)
り船に、長崎辺の伯父が一人乗込んでいると云うて、お
小遣
(
こづかい
)
の無心に来て、泊込んでおりました、二見から鳥羽がよいの馬車に、
馭者
(
ぎょしゃ
)
をします、寒中、
襯衣
(
しゃつ
)
一枚に
袴服
(
ずぼん
)
を
穿
(
は
)
いた若い人が
歌行灯
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
コレラ船いつまで沖に
繋
(
かか
)
り居る
五百句
(新字旧仮名)
/
高浜虚子
(著)
寂寞
(
じやくまく
)
と
繋
(
かか
)
る
猪木舟
(
ちよきぶね
)
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
散所民の板小屋や
繋
(
かか
)
り
舟
(
ぶね
)
の
苫
(
とま
)
に、チラチラ灯を見る夕となっていた。すると、街から出屋敷の長い土塀の外へかけて
私本太平記:03 みなかみ帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
道太はそう思うと、この事件の全責任が道太に
繋
(
かか
)
っているように言う一部の人たちの言草にも、厳粛にいえば、相当の理由のあることを認めないわけにいかなかった。
挿話
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
況
(
いわ
)
んやその命を捧げた
乾児
(
こぶん
)
どもが、先生とか、親分とかいって
蝟集
(
いしゅう
)
して、たより
縋
(
すが
)
って来るに於てをやである。浪人生活の悩みは実に
繋
(
かか
)
ってこの一点に存すると云っても過言でない。
近世快人伝
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
嬉しやと貫一は、道無き道の木を
攀
(
よ
)
ぢ、
崖
(
がけ
)
を伝ひ、
或
(
あるひ
)
は下りて水を
踰
(
こ
)
え、石を
躡
(
ふ
)
み、巌を
廻
(
めぐ
)
り、心地死ぬべく
踉蹌
(
ろうそう
)
として
近
(
ちかづ
)
き見れば、
緑樹
(
りよくじゆ
)
蔭愁
(
かげうれ
)
ひ、
潺湲
(
せんかん
)
声咽
(
こゑむせ
)
びて、浅瀬に
繋
(
かか
)
れる宮が
骸
(
むくろ
)
よ!
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
その
留
(
とま
)
ったところに、船は
繋
(
かか
)
ったのであろう。葭原雀は又しても
囀
(
さえず
)
り出した。
悪因縁の怨
(新字新仮名)
/
江見水蔭
(著)
水脚
(
みずあし
)
を入れた艀舟は、入れかわり立ちかわり、大川へ指し下り、天神の
築地
(
つきじ
)
へ
繋
(
かか
)
っている親船へ胴の
間
(
ま
)
をよせてゆく。
鳴門秘帖:04 船路の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そのころまだ床の前にあった加世子の
位牌
(
いはい
)
に線香をあげに来て、三人で彼女の芝の家までドライブして、晩飯を
御馳走
(
ごちそう
)
になって以来、何か心のどこかに
引
(
ひ
)
っ
繋
(
かか
)
りをもつようになった
狭山小夜子
(
さやまさよこ
)
も
仮装人物
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
雅之もこの
※
(
わな
)
に
繋
(
かか
)
りて学友の父の名を仮りて連印者に私用したりき。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
無数の
苫舟
(
とまぶね
)
が
繋
(
かか
)
っている岸辺から、やや大川筋へ下がった所に、また一艘の小舟が、苫をかけて、泊まっていた。
大岡越前
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
繋
漢検準1級
部首:⽷
17画
“繋”を含む語句
繋留
繋綱
珠数繋
有繋
繋縛
繋合
関繋
繋累
船繋
三繋平
繋船
繋縄
繋辞
数珠繋
繋船場
繋留所
連繋
馬繋
聯繋
駒繋
...