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素直
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まつすぐ
足は
裾へ、
素直に
揃へたつ
切、
兩手は
腋の
下へ
着けたつ
切、で
熟として、たゞ
見舞が
見えます、
扉の
開くのを、
便りにして、
入口の
方ばかり
見詰めて
見ました。
些と
離れた
畝を
伝つて、
向ふから
又一つ、ひよい/\と
来て、ばさりと
頭を
寄せて
同じく
留まる。と
素直な
畷筋を、
別に
一個よたよた/\/\と、
其でも
小刻の
一本脚、
竹を
早めて
急いで
近寄る。
今考へると、それが
矢張り、あの
先刻の
樹だつたかも
知れません。
同じ
薫が
風のやうに
吹亂れた
花の
中へ、
雪の
姿が
素直に
立つた。が、
滑かな
胸の
衝と
張る
乳の
下に、
星の
血なるが
如き
一雫の
鮮紅。
しかし
其まゝ
素直に
立つてるのが、
餘り
辛かつたから
又た
歩いた。