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狼狽
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うろたへ
ふりがな文庫
“
狼狽
(
うろたへ
)” の例文
云掛られ夫さへ心に
障
(
さは
)
らぬ樣
云拔
(
いひぬけ
)
て居しに今日
隅田川
(
すみだがは
)
の
渡船
(
わたしぶね
)
にて誰かは知ず
行違
(
ゆきちが
)
ひに面を見合せしより
俄
(
にはか
)
に吾助が顏色變り
狼狽
(
うろたへ
)
たる
體
(
てい
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
此
(
か
)
うなると、
狼狽
(
うろたへ
)
る、
慌
(
あわ
)
てる、
確
(
たしか
)
に半分は夢中になツて、
躓
(
つまず
)
くやら
轉
(
ころ
)
ぶやらといふ
鹽梅
(
あんばい
)
で、たゞ
妄
(
むやみ
)
と先を急いだが、さて
何
(
ど
)
うしても村道へ出ない。
水郷
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
よしや仔細を聴たとてまさか私が
狼狽
(
うろたへ
)
まはり動転するやうなことはせぬに、女と軽しめて何事も知らせずに置き隠し立して置く
良人
(
うちのひと
)
の了簡は兎も角も
五重塔
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
明るい洋燈の光りと烈しい気象の輝く竹山の眼とが、何といふ事もなしに渠の心を
狼狽
(
うろたへ
)
させた。
病院の窓
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
水
(
みづ
)
に
影
(
うつ
)
る
月
(
つき
)
を
奪
(
うば
)
はんとする
山猿
(
やまざる
)
よ、
無芸
(
むげい
)
無能
(
むのう
)
食
(
しよく
)
もたれ
総身
(
そうみ
)
に
智恵
(
ちゑ
)
の
廻
(
まは
)
りかぬる
男
(
をとこ
)
よ、
木
(
き
)
に
縁
(
よつ
)
て
魚
(
うを
)
を
求
(
もと
)
め
草
(
くさ
)
を
打
(
うつ
)
て
蛇
(
へび
)
に
驚
(
をどろ
)
く
狼狽
(
うろたへ
)
者
(
もの
)
よ、
白粉
(
おしろい
)
に
咽
(
む
)
せて
成仏
(
じやうぶつ
)
せん
事
(
こと
)
を
願
(
ねが
)
ふ
艶治郎
(
ゑんぢらう
)
よ
為文学者経
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
、
三文字屋金平
(著)
▼ もっと見る
しかも富山と宮とは
隣合
(
となりあひ
)
に坐りければ、夜と昼との
一時
(
いちじ
)
に来にけんやうに皆
狼狽
(
うろたへ
)
騒ぎて、
忽
(
たちま
)
ちその隣に自ら社会党と
称
(
とな
)
ふる一組を
出
(
いだ
)
せり。彼等の主義は不平にして、その目的は破壊なり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
まことに結構な心掛だが、博士がそんなにまでして折角覚え込んだ帽子を、どうかすると、相客が間違つてさつさと
被
(
かぶ
)
つて
往
(
ゆ
)
く事があるので、そんな時の博士の
狼狽
(
うろたへ
)
さ加減といつたらない。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
聞居られしが
其後
(
そののち
)
渠
(
かれ
)
が弟願山の事に
及
(
およ
)
び江戸表の
寺
(
てら
)
は何方の
徒弟
(
とてい
)
なるやと
糺
(
たゞ
)
さるゝに至りて多兵衞はハツと心付
大
(
おほ
)
いに
狼狽
(
うろたへ
)
し
樣子
(
やうす
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
狼狽
(
うろたへ
)
て飛び起きさまに道具箱へ手を突込んだは半分夢で半分
現
(
うつゝ
)
、眼が全く覚めて見ますれば指の先を
鐔鑿
(
つばのみ
)
につつかけて怪我をしながら道具箱につかまつて
五重塔
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
「何故那麽に
狼狽
(
うろた
)
へたらう? 吉野さんが
被來
(
いらしつ
)
てゐたとて! 何が怖かつたらう! 清子さんも可笑しいと思つたであらう! 何故那麽に
狼狽
(
うろたへ
)
たらう? 何も譯が無いぢやないか!」
鳥影
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
相手に
戰
(
たゝか
)
ひ居により
左
(
と
)
に
右
(
かく
)
助
(
たす
)
けんと存じ
宵闇
(
よひやみ
)
の
暗紛
(
くらまぎ
)
れに切付たるは女の聲ゆゑ偖は女房を切たるかと
狼狽
(
うろたへ
)
たる處に
傍邊
(
かたはら
)
より男一人打て掛りしを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
“狼狽”の意味
《名詞》
狼 狽(ろうばい)
思わぬ出来事に遭い、慌てること。
(出典:Wiktionary)
狼
漢検準1級
部首:⽝
10画
狽
漢検準1級
部首:⽝
10画
“狼狽”で始まる語句
狼狽者
狼狽方
狼狽気味
狼狽敷
狼狽眼
狼狽居士
狼狽驚愕