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牡鹿
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おじか
ふりがな文庫
“
牡鹿
(
おじか
)” の例文
もう一
匹
(
ぴき
)
の
牝鹿
(
めじか
)
は、
海
(
うみ
)
を一つへだてた
淡路国
(
あわじのくに
)
の
野島
(
のじま
)
に
住
(
す
)
んでいました。
牡鹿
(
おじか
)
はこの二
匹
(
ひき
)
の
牝鹿
(
めじか
)
の
間
(
あいだ
)
を
始終
(
しじゅう
)
行ったり
来
(
き
)
たりしていました。
夢占
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
海が幾日も
暴
(
あ
)
れて、山中の食料がつきた場合には、対岸の
牡鹿
(
おじか
)
半島にむかって合図の鐘を
撞
(
つ
)
くと、半島の南端、
鮎川
(
あゆかわ
)
村の忠実なる漁民は
綺堂むかし語り
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
ほう、ほう、と鹿の
啼
(
な
)
く声がする——。それに気づいて
眸
(
ひとみ
)
をこらして見ると、
牝鹿
(
めじか
)
や
牡鹿
(
おじか
)
が、月の夜を戯れつつさまよっているのだった。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
早稲田
(
わさだ
)
だからもう
稔
(
みの
)
っているのだが、
牡鹿
(
おじか
)
が妻喚ぶのをあわれに思って、それを驚かすに忍びないという歌である。
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
その時の彼の心の
中
(
うち
)
には、さっき射損じた一頭の
牡鹿
(
おじか
)
が、まだ折々は未練がましく、
鮮
(
あざや
)
かな姿を浮べていた。
素戔嗚尊
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
▼ もっと見る
How many horns has the buck?「いかに 多くの 角を
牡鹿
(
おじか
)
が 持つか」
こども風土記
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
牡鹿
(
おじか
)
が
獅子
(
しし
)
のそばにねているところや、殺されたものがむくむくと起き上がって、自分を殺したものを
抱擁
(
ほうよう
)
するところを、ちゃんと自分の眼で見届けたいのだ。
カラマゾフの兄弟:01 上
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
ウィリアムは
崖
(
がけ
)
を飛ぶ
牡鹿
(
おじか
)
の如く、
踵
(
くびす
)
をめぐらして、盾をとって来る。女「只懸命に盾の
面
(
おもて
)
を見給え」と云う。ウィリアムは無言のまま盾を
抱
(
いだ
)
いて、池の縁に坐る。
幻影の盾
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
衣冠束帯の
大百日
(
だいひゃくにち
)
で、六法をきってみようというような
華美
(
はで
)
な芝居気のない男ですから、この床下を選んだことにしてからが、一方は
牡鹿
(
おじか
)
半島方面の船の到着が気にかかり
大菩薩峠:34 白雲の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
一方、大将軍九郎御曹司義経は、七日の明方、三千余騎で
鵯越
(
ひよどりごえ
)
にのぼり、人馬を休ませていたが、その騒ぎに驚いたか、
牡鹿
(
おじか
)
二匹、
牝鹿
(
めじか
)
一匹が平家の城の一の谷へ逃げ下りた。
現代語訳 平家物語:09 第九巻
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
すると、
芒
(
すすき
)
の原に
掩
(
おお
)
われた小山の背面からは、一斉に枯木の林が
動揺
(
どよ
)
めきながら二人の方へ進んで来た。それは
牡鹿
(
おじか
)
の群だった。馬は散乱する鹿の中を突き破って馳け下った。
日輪
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
その後間もなく市政の
布
(
し
)
かれたこの町は、太平洋に突き出た
牡鹿
(
おじか
)
半島の
咽喉
(
いんこう
)
を
扼
(
やく
)
し、仙台湾に注ぐ
北上河
(
きたかみがわ
)
の河口に臨んだ物資の集散地で、鉄道輸送の開ける前は、海と河との水運により
縮図
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
汝
(
なんじ
)
穢
(
けがら
)
わしき物は何も
食
(
くら
)
う
勿
(
なか
)
れ。汝らが
食
(
くら
)
うべき
獣蓄
(
けもの
)
は
是
(
これ
)
なり
即
(
すなわ
)
ち牛、羊、
山羊
(
やぎ
)
、
牡鹿
(
おじか
)
、
羚羊
(
かもしか
)
、小鹿、
麣
(
やまひつじ
)
、
麞
(
くじか
)
、
麈
(
おおじか
)
、
麏
(
おおくじか
)
、など。
凡
(
すべ
)
て
獣蓄
(
けもの
)
の
中蹄
(
うちひづめ
)
の分れ割れて二つの蹄を成せる
反蒭獣
(
にれはむけもの
)
は汝ら
之
(
これ
)
を
食
(
くら
)
うべし。
正義と微笑
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
むかし、
摂津国
(
せっつのくに
)
の
刀我野
(
とがの
)
という
所
(
ところ
)
に、一
匹
(
ぴき
)
の
牡鹿
(
おじか
)
が
住
(
す
)
んでいました。この
牡鹿
(
おじか
)
には二
匹
(
ひき
)
仲
(
なか
)
のいい
牝鹿
(
めじか
)
があって、一
匹
(
ぴき
)
の
牝鹿
(
めじか
)
は
摂津国
(
せっつのくに
)
の
夢野
(
ゆめの
)
に
住
(
す
)
んでいました。
夢占
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
御存
(
ごぞん
)
じの通り
牡鹿
(
おじか
)
の角は、成長するにつれて枝の数が多くなり、五本ぐらいがまず大鹿である。
こども風土記
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
みちのく平泉の藤原
秀衡
(
ひでひら
)
の庇護の下にいて、自然児ぶりを振舞っていた源九郎義経は、熊野の新宮に叔父がいるのを知って、
牡鹿
(
おじか
)
の港から熊野通いの船にひそみ、紀州へ来て
随筆 新平家
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
牡鹿
(
おじか
)
、
桃生
(
ももふ
)
、志田、仙台の
界隈
(
かいわい
)
をそう遠く離れるに及ばないということを、白雲は白雲なみに断定して、漫然とこの北上川の沿岸を漂浪しているうちには、何とか手がかりがあるだろう。
大菩薩峠:34 白雲の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
野にも山にもしきりに
牡鹿
(
おじか
)
が鳴いている。
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
そう
聞
(
き
)
いて、
牡鹿
(
おじか
)
はこわくなりました。どうしようかと
思
(
おも
)
って、とうとうその日は一
日
(
にち
)
ぐずぐず
暮
(
く
)
らしていましたが、日が
暮
(
く
)
れかかると、どうしてもがまんができなくなりました。
夢占
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
例えば奥州
金華山
(
きんかざん
)
の権現は、山と土が草鞋について、島から外へ出ることを惜しまれるということで、参詣した者は、必ずそれをぬぎ捨ててから船に乗りました。(笈埃随筆。宮城県
牡鹿
(
おじか
)
郡鮎川村)
日本の伝説
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
若い
牡鹿
(
おじか
)
は自分の力で
大菩薩峠:38 農奴の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
牡
漢検準1級
部首:⽜
7画
鹿
常用漢字
小4
部首:⿅
11画
“牡鹿”で始まる語句
牡鹿城
牡鹿山
牡鹿郡
牡鹿半島