煬帝やうだい)” の例文
もとわたくしは支那の古医書の事にはくらいが、此にちとの註脚を加へて、遼豕れうしそしりを甘受することとしよう。病源候論は隋の煬帝やうだいの大業六年の撰である。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
中にはまた、そこを色々とあげつらつて大殿樣の御性行を始皇帝や煬帝やうだいに比べるものもございますが、それは諺に云ふ群盲の象を撫でるやうなものでもございませうか。
地獄変 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
ずゐ沈光ちんくわうあざな總持そうぢ煬帝やうだいつかへて天下第一てんかだいいち驍捷はやわざ達人たつじんたり。ていはじめ禪定寺ぜんぢやうじ建立こんりふするときはたつるに竿さをたか十餘丈じふよぢやうしかるに大風たいふうたちまおこりてはた曳綱ひきづないたゞきよりれてちぬ。
唐模様 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
男子なんしにも、六八ずゐ煬帝やうだい臣家しんか六九麻叔謀ましゆくぼうといふもの、小児せうにの肉を嗜好このみて、ひそかに民の小児をぬすみ、これをしてくらひしも七〇あなれど、是は浅ましき七一えびす心にて、あるじのかたり給ふとはことなり。
中にはまた、そこを色々とあげつらつて大殿様の御性行を始皇帝しくわうてい煬帝やうだいに比べるものもございますが、それはことわざに云ふ群盲ぐんもうの象をでるやうなものでもございませうか。
地獄変 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
みちはなか/\きのふのやうにははかどらない。途中とちゆう午飯ひるめしつて、西にしかたむかつたころ國清寺こくせいじの三もんいた。智者大師ちしやだいし滅後めつごに、ずゐ煬帝やうだいてたとてらである。
寒山拾得 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
のち煬帝やうだい遼東れうとうむるとき梯子はしごつくりててき城中じやうちう瞰下みおろす。たかまさ十五丈じふごぢやう沈光ちんくわう尖端とつさきぢてぞくたゝかうて十數人じふすうにんる。城兵じやうへい這奴しやつにくきものの振舞ふるまひかなとて、競懸きそひかゝりてなかばより、梯子はしごくじく。
唐模様 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)