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濁水
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だくすゐ
ぶりき板の破片や腐つた屋根板で
葺いたあばら
家は数町に渡つて、
左右から
濁水を
挟んで互にその傾いた
廂を向ひ合せてゐる。
〔譯〕
濁水も亦水なり、一
澄すれば則ち
清水となる。
客氣も亦氣なり、一
轉すれば則ち
正氣となる。
客を
逐ふの工夫は、只是れ己に克つなり、只是れ禮に
復るなり。
此藥をのませ給はば、疑なかるべき
也。
闇なれども、
燈入りぬれば
明かなり。
濁水にも
月入りぬればすめり。
明かなる
事日月にすぎんや。
淨き
事蓮華にまさるべきや。法華經は
日月と
蓮華なり。
心もとなげな
雲が
簇々と
南から
駈け
走つて、
其度毎に
驟雨をざあと
斜に
注ぐ。
雨は
畑の
乾いた
土にまぶれて、
軈て
飛沫を
作物の
下葉に
蹴つて、
更に
濁水が
白い
泡を
乘せつゝ
低きを
求めて
去つた。
信水は
犀川の
濁水あるゆゑ也。
鮏初秋より海を
出て此
流に
泝る。蒲原郡の流は
底深く
河広ゆゑ大
網を用ひて
鮏を
捕る。かの川口
駅より
上、
上田妻有のあたりにては
打切といふ事をなして鮏を
捕る。