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潰滅
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かいめつ
ふりがな文庫
“
潰滅
(
かいめつ
)” の例文
それもそのはず、これは父信玄を傷つけられ、自分の隊もひとたびは
潰滅
(
かいめつ
)
に
瀕
(
ひん
)
した太郎義信が新手を得て再編制して来た一隊である。
上杉謙信
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
長楽路の蛇酒屋から
掠奪
(
りゃくだつ
)
した蛇酒に昂奮した赤い布の一連も、中央司令部の
銭大鈞
(
せんたいきん
)
の軍隊が出動して忽ち
潰滅
(
かいめつ
)
されてしまった。
地図に出てくる男女
(新字新仮名)
/
吉行エイスケ
(著)
まったく
潰滅
(
かいめつ
)
した「サークル」の模様や、転向していった連中のことを口数少く語って、あとは黙ってしまう。
冬枯れ
(新字新仮名)
/
徳永直
(著)
加波山の貯蔵所の
潰滅
(
かいめつ
)
したことはむろんわかっているだろうし、かれらのほうでは渡辺が、死躰の出ない以上、連絡のあるのを待っているに違いない、だから
風流太平記
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
彼の奇妙な性格も、異常な動作も、そして彼にとって唯一の世界である海軍が、沖縄の戦終り、既に
潰滅
(
かいめつ
)
したことによるいらいらした心情も、おそらくは皆そこにあるのだ。
桜島
(新字新仮名)
/
梅崎春生
(著)
▼ もっと見る
これほど子供のうちより心の繋りを持つ富士が、自分が死んで、やみやみ後に安泰で残る筈がない。自分が死ぬときは、あの巨大な土塊も
潰滅
(
かいめつ
)
の時だ。強くそう思えて来た。
宝永噴火
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
あのはてしない
戦線
(
せんせん
)
で、あるときは、にごった
大
(
おお
)
きな
川
(
かわ
)
を
渡
(
わた
)
り、あるときは、けわしい
岩山
(
いわやま
)
をふみこえて、
頑強
(
がんきょう
)
にていこうする
敵兵
(
てきへい
)
と、すさまじい
砲火
(
ほうか
)
をまじえ、これを
潰滅
(
かいめつ
)
し
しらかばの木
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
二十三、四の青年で、見るから病弱そうなのが毎日この碁会所へきていたが、
田町
(
たまち
)
辺の工場の事務員で、ひどい反戦思想をもち、徹底的に軍の
潰滅
(
かいめつ
)
と敗北を信じ、共産主義を愛していた。
魔の退屈
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
「いよいよおもしろい」と町長はいすを乗りだして、「これを機会に根底から立憲党を
潰滅
(
かいめつ
)
するんだね、そうだ、じつに好機会だ、わざわいが転じて福となるぜ、おい、早く退院してくれ」
ああ玉杯に花うけて
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
刎
(
は
)
ね飛ばされたと言おうか、蹴散らされたと言おうか、
蹂躙
(
じゅうりん
)
とも、
潰滅
(
かいめつ
)
とも、何とも言おうようなき大破壊に逢着してしまったというのは、後ろの美しさに引きかえて、何というこれは醜悪
大菩薩峠:33 不破の関の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
他は容易に
潰滅
(
かいめつ
)
するであろう、
云々
(
うんぬん
)
。
李陵
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
佐々成政は、その日、もう敵の末森城は、
潰滅
(
かいめつ
)
は寸前のものという見通しで、
坪井山
(
つぼいやま
)
からずっと本陣をすすめ、すぐ城下近くまで来て
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そして、その反面では、一族の
潰滅
(
かいめつ
)
に備えて、或る種の謀計が、めぐらされていたというのである。
山彦乙女
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
これは田楽狭間を
潰滅
(
かいめつ
)
させると直ぐ、大高方面へ偵察に向けられた隊である。大高には、三河の松平元康が、義元の
先鋒
(
せんぽう
)
として働いていた。
新書太閤記:02 第二分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
図書の説は、主筋の佐竹一門もこれを推すところとなり、廻座一統の希望は
潰滅
(
かいめつ
)
した……長門と図書との争いはこれで爆発した。
喧嘩
(
けんか
)
というものは理屈で始って腕力に終る。
三十二刻
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
彼ひとりのため、右翼は
潰滅
(
かいめつ
)
され、余波はもう中軍にまで及んできた。丞相旗をめぐる諸軍すべて
翩翻
(
へんぽん
)
とただおののき恐れて見えたが、その時
三国志:05 臣道の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
董禧、薛則の二将が討たれたりと聞えれば、敵勢の陣はまさに
潰滅
(
かいめつ
)
状態であろう。その虚をのがすべきでない。
三国志:11 五丈原の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その上、蜀の張翼、王平の二手がうしろへまわって出たため、三万の兵ことごとく
潰滅
(
かいめつ
)
し去るかと危ぶまれた。
三国志:11 五丈原の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
だが——一党四十幾名の生命を
負
(
にな
)
って、
薄氷
(
うすらい
)
を踏んでいるのだ。
亀裂
(
ひび
)
を見たら、もう全部の
潰滅
(
かいめつ
)
である。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
呂布の前衛は、木の葉の如く蹴ちらされ、怒濤の如く一隊は
小沛
(
しょうはい
)
に侵入し、そのほか、各処の先鋒戦で、徐州兵はことごとく
潰滅
(
かいめつ
)
され、刻々、敗兵が城下に満ちた。
三国志:04 草莽の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「丞相。それがしに、五千騎おかし下さい。こんなことをしている間に、長安を
潰滅
(
かいめつ
)
してみせます」
三国志:11 五丈原の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
羽、飛両雄の馬蹄の下に、死骸となる者、逃げ争う者、笑止なばかりもろい
潰滅
(
かいめつ
)
を遂げてしまった。
三国志:06 孔明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
四国、紀州の
根来
(
ねごろ
)
や
雑賀
(
さいが
)
党などの危険分子にまず
潰滅
(
かいめつ
)
を与えておくために。さらに手近な、美濃や尾張の信雄
恩顧
(
おんこ
)
の諸将にたいし、利をもってそれを切り崩すために。
新書太閤記:10 第十分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
雑賀党は、一瞬のまに、根来の
潰滅
(
かいめつ
)
を見せられ、また秀吉軍の
疾風迅雷
(
しっぷうじんらい
)
の勢いに驚き怖れて、戦わずして、
雑賀孫一
(
さいがまごいち
)
以下の重なる徒党は、みな
降人
(
こうにん
)
に出て、秀吉に伏した。
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
潰滅
(
かいめつ
)
の
兆
(
ちょう
)
が見えてきた。その方面の敵は、
不肖
(
ふしょう
)
池田勝三郎が当って蹴ちらしてみせる」
新書太閤記:03 第三分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「早速に兵を率い、瓦口関正面に攻めかかれ、われは、あの百姓を案内とし、精兵五百あまりをひきつれ、小路を走って敵が背後に廻り、一気に張郃の軍の残余を
潰滅
(
かいめつ
)
せしめよう」
三国志:09 図南の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
勝家は身をもって
遁
(
のが
)
れたが、勝家の
羽翼
(
うよく
)
であった全軍は、完全に
潰滅
(
かいめつ
)
し
霧散
(
むさん
)
し去った。
新書太閤記:09 第九分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「ここは、孤立する
惧
(
おそ
)
れがある。味方の山之手隊は、
潰滅
(
かいめつ
)
されたという。
並河掃部
(
なみかわかもん
)
どのも討たれた。
諏訪
(
すわ
)
飛騨守も討死した。——つつまれぬうちにはや引き
退
(
の
)
こう。
退
(
ひ
)
けや、退けや」
新書太閤記:08 第八分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
好まない戦だが、応戦しなければ
潰滅
(
かいめつ
)
するし、応戦していれば果てしがない。
三国志:03 群星の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
情熱的な
加担
(
かたん
)
を示して、北陸一帯の反秀吉気勢を一手にひきうけていた佐々成政の
潰滅
(
かいめつ
)
をも、じっと坐視しているに至っては、血の気の多い三河武士が、黙っていられないのも無理はない。
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
南都、叡山、その他の諸宗諸国の反念仏派は、この時と、なお
輿論
(
よろん
)
をあげた。そして功を奏した。徹底的に、念仏は地上から一掃され、彼らのいうところの法敵吉水は、
潰滅
(
かいめつ
)
を予想された。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「これからの大事は、第一に新しい軍備の充実。それに従って、戦法の改革。なお刻々、時代に遅れない心がけが肝要だ。——一武田ごときを
潰滅
(
かいめつ
)
させたからといって、思い上がってはいけない」
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「ひとまず
退
(
ひ
)
けい。道をあらためて、こんどこそは
潰滅
(
かいめつ
)
してやる!」
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
大久保隊はたちまちのうちに、惨たる
潰滅
(
かいめつ
)
をうけてしまった。
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
郭汜の手勢を
潰滅
(
かいめつ
)
してしまうと楊奉はまた、その余勢で
三国志:04 草莽の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
一城一城、
連環
(
れんかん
)
の小城は、かくて箇々に
潰滅
(
かいめつ
)
された。
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
後深草の望みを
潰滅
(
かいめつ
)
させた御心理も解らなくはない。
私本太平記:03 みなかみ帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
潰
常用漢字
中学
部首:⽔
15画
滅
常用漢字
中学
部首:⽔
13画
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潰
潰走
潰乱
潰瘍
潰島田
潰家
潰倒
潰裂
潰走兵
潰乱混走