トップ
>
渋々
>
しぶしぶ
ふりがな文庫
“
渋々
(
しぶしぶ
)” の例文
旧字:
澁々
先生方がお役目半分に、
渋々
(
しぶしぶ
)
聞きに来ている態度はまあいいとして、その大部分が本当に気乗りがしていないばかりじゃない。
爆弾太平記
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
ソレも宜いとして
置
(
おい
)
て、この攘夷はドウだ。自分がその局に
当
(
あたっ
)
て居るから
拠
(
よんどこ
)
ろなく
渋々
(
しぶしぶ
)
開国論を唱えて居ながら、その実を
叩
(
たた
)
いて見ると攘夷論の張本だ。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
介三郎にいわれて、
渋々
(
しぶしぶ
)
、手を出してつぎあったが、それでもなお釈然たる空気には溶けあわなかった。
梅里先生行状記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
勝子はこの狂人のような男と別れて、早く停車場へ入りたい気がしたが、なんだか大変な話と云うのが気にも懸るので、
渋々
(
しぶしぶ
)
彼とならんで公園の方へ歩いて行った。
凍るアラベスク
(新字新仮名)
/
妹尾アキ夫
(著)
「好いていやしないよ」と彼は妙にしょげて
渋々
(
しぶしぶ
)
呟いた。「母ちゃんは血が出たら……いつもきざみ煙草を傷にはっていたんだもの、僕ちゃんと知っていたんだもの」
光の中に
(新字新仮名)
/
金史良
(著)
▼ もっと見る
渋々
(
しぶしぶ
)
履物
(
はきもの
)
を突っかけて玄関を出た。見ると、屋敷の者が四、五人、手に手に
提灯
(
ちょうちん
)
を持って、ポカンと口を開け、ひどく感心したように玄関の戸の
表側
(
おもてがわ
)
を見上げている。
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
これが他の門番はもちろんのこと、その他の間にも評判となって、さすがの彼も兜をぬいで
渋々
(
しぶしぶ
)
三十銭を払い、『あとはもう要らないよ』と悲鳴をあげたことであった。
一商人として:――所信と体験――
(新字新仮名)
/
相馬愛蔵
、
相馬黒光
(著)
という
仰
(
おお
)
せだ。宗三はよっぽど返事をしないでいようかと思ったが、まさかそうもならず、
渋々
(
しぶしぶ
)
席を立って、課長の机の前まで行った。
尤
(
もっと
)
も「何か御用で」なんて
追従
(
ついしょう
)
は云わない。
接吻
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
学士はそこで
渋々
(
しぶしぶ
)
とポケットから鍵を出すと戸口の
鍵孔
(
かぎあな
)
に入れ、ガチャリと廻して扉を開いた。そこには思いがけなくもピンク色のワン・ピースを着た背の高い若い婦人が立っていた。
赤外線男
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
ところで、立会の警官は少年に対して落とし主から拾い主が謝礼を貰うのは、国の定めとなっているから受け取らねばいかん、というので少年は
渋々
(
しぶしぶ
)
謝金を受け取ったような次第であった。
淡紫裳
(新字新仮名)
/
佐藤垢石
(著)
気を付けて持って行くようになどと恩に着せまたは
渋々
(
しぶしぶ
)
と、竜宮の主がくれたというものの中には、珍らしい名の宝物宝器も無論あるが、それよりもずっと多いのは小犬・黒猫・石亀の類
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
下剃
(
したぞり
)
一人
(
ひとり
)
をおいて
出
(
で
)
られたのでは、
家業
(
かぎょう
)
に
障
(
さわ
)
ると
思
(
おも
)
ったのであろう。一
張羅
(
ちょうら
)
の
羽織
(
はおり
)
を、
渋々
(
しぶしぶ
)
箪笥
(
たんす
)
から
出
(
だ
)
して
来
(
き
)
たお
花
(
はな
)
は、
亭主
(
ていしゅ
)
の
伝吉
(
でんきち
)
の
袖
(
そで
)
をおさえて、
無理
(
むり
)
にも
引止
(
ひきと
)
めようと
顔
(
かお
)
を
窺
(
のぞ
)
き
込
(
こ
)
んだ。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
「あれが欲しい」といいましたが、「あんな物をどうするの。もう起きなさい」と、誰もかまってくれません。やがて御飯になりました。
渋々
(
しぶしぶ
)
起きてお
膳
(
ぜん
)
に向っても、目は
軒端
(
のきば
)
を離れません。
鴎外の思い出
(新字新仮名)
/
小金井喜美子
(著)
橋田氏は、そのひとらしくも無く、なぜだか、ひどく
渋々
(
しぶしぶ
)
応じた。
眉山
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
紳士は、
渋々
(
しぶしぶ
)
、又椅子に座って
毒蛾
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
清原 (
渋々
(
しぶしぶ
)
と彼の隣に坐る)
なよたけ
(新字新仮名)
/
加藤道夫
(著)
唯
(
ただ
)
その徳川が開国であると云うのは、外国交際の
衝
(
しょう
)
に
当
(
あたっ
)
て居るから余儀なく
渋々
(
しぶしぶ
)
開国論に
従
(
したがっ
)
て居た
丈
(
だ
)
けの話で、一幕
捲
(
まくっ
)
て
正味
(
しょうみ
)
の
楽屋
(
がくや
)
を見たらば大変な攘夷藩だ。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
と、口にはださないが、
肚
(
はら
)
のなかでは、
渋々
(
しぶしぶ
)
した。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
また
渋々
(
しぶしぶ
)
この棚の製作を継続しやがった。
失敗園
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
と、
渋々
(
しぶしぶ
)
、聞き書きを
認
(
したた
)
めだした。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と、
渋々
(
しぶしぶ
)
、迎えの
駕
(
かご
)
に乗りました。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
渋
常用漢字
中学
部首:⽔
11画
々
3画
“渋”で始まる語句
渋
渋面
渋団扇
渋谷
渋紙
渋滞
渋茶
渋柿
渋江抽斎
渋味