)” の例文
高札の表に掲げてある一条を犯した以上は、たとえ同郷の者たりとも法をみだすわけにゆかん。首にして街へけるから観念するがよい
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
さるを後には老女を彼賊の同類なりとし、ことし數人の賊と共に彼老女をさへねて、ネピの石垣の上にけたりと語りぬ。
小柳は自滅して仕置を免かれたが、その死に首はやはり小塚ッ原にけられた。金次は同罪ともなるべきものを格別の御慈悲を以て遠島申し付けられて、この一件は落着らくちゃくした。
半七捕物帳:02 石灯籠 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
あれ程迄世間を騒がせた天一坊も、とうとうお処刑しおきとなって、獄門にけられてしまいました。あの男の体は亡びてもあの悪名はいつ迄もいつ迄も永く伝えられる事でございましょう。
殺された天一坊 (新字新仮名) / 浜尾四郎(著)
「十常侍らを獄に下して、その首を刎ね、南郊にけて、諸人に罪文と共に示し給われば、人心おのずから平安となって、天下は」
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
お熊と忠七とは密通の廉を以て、町中引廻しの上に浅草(今の小塚原)で獄門にけられることになった。忠七は三十歳であった。お久も町中引廻しの上に死罪を申し渡された。
黄八丈の小袖 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
そして自身はなお幽州へ進攻して、袁煕えんき袁尚えんしょうのふたりを誅伐ちゅうばつすべく準備に怠りなかったが、その間にまず袁譚の首を、城の北門にけて
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
寛延かんえん己巳年つちのとみどしの二月から三月にかけて、大坂は千日前せんにちまえに二つの首が獄門にけられた。
心中浪華の春雨 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
彼は、賊軍退治を終ると、討ち取った首を辻々にけさせ、令を発して民を安め、軍は規律を厳にして、城外に屯剳とんさつした。
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
義仲以下の首を、六条の河原にけるため、検非違使けびいし等の役人は、まだ暗いうちから獄門の場所へ来て、指図をしていた。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
あわよくば、尊氏の首、直義の首、いずれなりと、わが槍先にけて、日月にちげついまだちず、と世へ叫べるかもしれまいぞ
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「——よいか善信。これから申すことに一々答弁が立たん時は、この小屋をぶっつぶし、汝のこうべ薙刀なぎなたの先にけて、山門のみやげに持ち帰るぞっ」
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、即日、七条河原にひきだして、断罪の刑とし、十幾人もの生首を、半月あまりも、けならべてみせたのだった。
「五条の獄舎の門前にある巨きな木だ。義朝の首がさらしてある。後からまた、子の義平の首も並んでけられた」
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、袂で交互にそこらを打ち払い、また、やにわに、そこの身丈みたけよりは低い竹矢来を破ッて、さらし首のけならべてある台へむかって突進しかけた。
私本太平記:06 八荒帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「殿。将平様の兵が、生捕った敵を、曳きつれて来ました。すぐ首を打って、領民の見える所にけましょうか」
平の将門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「晴れの門立かどだちだ。縁類を悲しめてここを出たくない。出雲介の首だけを辻にけて、領民どもへ見せてやれ」
私本太平記:08 新田帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
暁寒き陣門の柱に、楊修はすでに首となってけられていた。昨夜の才人も、今朝は鳥の餌に供えられている。
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
谷間じに迫る秀吉勢を眼下にむかえ撃つ戦態にあったが、獅子児一群の奮迅が、忽ち堀切のタテを踏みのぼり、彼が中軍の幾将を槍先にけるにいたるや
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「とは申せ、軍紀はまげられん。正成の首は、湊川の河原にけろ。首札くびふだは特に、この尊氏が自身で書く」
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
粟田口にけられた斎藤利三のそれは、本能寺から移して来た光秀の首級と並べられていたが、さらされたのはわずか半日、その夜、何者かに盗まれてしまった。
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「——では、一命をあずけておくが、再び前線へ出て、大功を立てぬときは、必ず軍律に照らして、そのこうべを陣門にけるであろうことを、よく胸に銘記しておけよ」
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「この呂布を、お差向けねがいます。あくたの如き大軍をかき分けて、孫堅とやらを始め、曹操、袁紹など逆徒に加担の諸侯の首を、一々大地にけならべてご覧に入れん」
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
卿は、民を害する賊吏、今そのこうべを斬って、これにけるはいと易いことながら、恥を思わぬ悲鳴を聞けば、畜類にも不愍ふびんは生じる。あわれ、犬猫と思うて助けてとらせる。
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「ならばこそ、這奴しゃつの首を、六条河原にけさらすこそ、大なる孝の道でもおざりませぬか」
「不才ながら小生におまかしあれば、董卓が首を斬って、洛陽の門にけてごらんに入れん」
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
李粛の首を、軍門にけるや、彼は自身、陣頭に立ち、またたくまに牛輔ぎゅうほの軍を撃破した。
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
神木しんぼくの上にけられている忍剣をのぞいては、すべての生物いきものに、天国そのままな秋の朝だ。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
醜類しゅうるいの面々、一匹もたすけおくな。その妻子眷族けんぞくも、見せしめのためすべて刑にけよ」
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「高氏の首をけずにおくまいぞ」とは今や六波羅中の合い言葉であり憤怒ふんぬであった。
私本太平記:08 新田帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「李典には戦意がないのだ。首を刎ねて陣門にけ、士気をあらためねばならん」
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
義仲以下、木曾の党類の首が、東国将士の列から検非違使の手へ渡され、そして、獄門の前の樹にけられるが、その戦後行事みたいな儀式を、当時のことばで“首渡し”といっている。
随筆 新平家 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
仕出来しでかさぬとも限らねえ性質でがすし、それで、百姓衆が、救えるもんならいいが、何度やっても、揚句あげくは裏切者が出て、正直者が、獄門にかるだけのもんで、領主は領主、百姓は百姓
(新字新仮名) / 吉川英治(著)
わが願望は逆賊董卓を打ち、あわせてその九族を首斬って、洛陽の門にけならべて見せんということしかない。——その望みを達しない時は、死すとも、眼をふさがじと誓っておるのだ。
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
馬場の五ヵ所に曝し場をもうけ、それぞれに三段の木を結いわたした。そしてお壺の内(庭内)や築土附近で斬り死にしたおもなる者の首七十余級をけならべ、いちいちの首のもとどりに
私本太平記:06 八荒帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
すでに上諏訪かみすわから甲斐へ乱入——御被官ごひかんの一条右衛門大輔だいすけどの、清野美作せいのみまさかどの、朝日奈摂津あさひなせっつどの、山県やまがた三郎兵衛どの御子息など、戦うもくだるも、容赦ようしゃなくこれを殺し、斬っては路傍にけながら
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
二十一日目に神官しんかんがきてみて、ほそいきでもかよっていれば、神に謝罪しゃざいがかなったものとして、つみをゆるされて手当てあてをする、しかしここ四、五十年のあいだに、ご神木しんぼくの山毛欅にけられたもので
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ふもとの河原に、たくさんな打首をけて、幾日もさらしてあったが、その中には相貌そうぼうも変って、しかとも知れぬほどにはなっていたが、この辺の山に住む炭焼の男や、猟師などの、見たような顔もあった。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そして飯田の木戸にけさせたというのが、平凡なる真相であった。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
で、ここには今、戦捷の意気がみなぎっていた。山名細川の首も近く見ようぞ。春ともなれば、尊氏たかうじの首級を、京にけて、神璽しんじを奉じ、主上の還幸をお願いし奉ろうぞ。そうみな希望にかがやいていた。
日本名婦伝:大楠公夫人 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
部将の首が陣門にけられたのを見て、多少、ほかにも同じ気持を抱いていた者もあったので、諸将みなきもを冷やし、一倍、油断なく、埋伏まいふくの辛さを耐えて、孔明軍が来るのを今か今かと待っていた。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
十八日、洛中らくちゅうを引きまわし、後、首級は粟田口あわだぐちけられた。
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
邸は炎とされ、父子一族の首は市にけられた。
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「すべて二日の間、三条河原へけならべろ」
私本太平記:13 黒白帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
忍剣はいま、神刑しんけいけられているのだ。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「すぐ陣中にけろ」
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)