智惠ちゑ)” の例文
新字:智恵
吾等われ/\この危難きなんからすくいだことは、大佐たいさ智惠ちゑでもとておよばぬのであらうと、わたくしふかこゝろけつしたが、いま塲合ばあひだからなにはない。
あゝ面白おもしろくない、おもしろくない、ひとなければ幻燈げんとうをはじめるのもいや伯母おばさん此處こゝうち智惠ちゑいたりませぬか、十六武藏むさしでもなんでもよい、ひまこまると美登利みどりさびしがれば
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
その影を、永劫とはに、智惠ちゑ慈悲じひ
春鳥集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
人間にんげんちからおよことなら、あの智惠ちゑたくましき櫻木大佐さくらぎたいさ不能できぬといふことはあるまいが、今日けふまで、なん音沙汰おとさた打※うちすぎてるのをると、たとへ、猛犬稻妻まうけんいなづま無事ぶじ使命しめいはたしたにしろ
さりとて今更いまさらはんもうしろめたかるべしなんど、まよひには智惠ちゑかゞみくもりはてゝや、五夢中むちう彷徨さまよひしが、流石さすがさだむるところありけん、慈愛じあひ二となき母君はゝぎみに、一日あるひしか/″\と打明うちあけられぬ
たま襻 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
おゝそれよりはひとことひとこと藤本ふぢもとのならば智惠ちゑしてくれんと、十八にちくれれちかく、ものいへば眼口めくちにうるさきはらひて竹村たけむらしげき龍華寺りうげじ庭先にはさきから信如しんによ部屋へやへのそりのそりと
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)