時折ときおり)” の例文
マンチュアにちっしてござれ、忠實まめやかをとこもとめ、時折ときおりそのをとこして此方こなた吉左右きッさうらせう。さ、を。もうおそい。さらばぢゃ、機嫌きげんよう。
ほとんど半身、外科げかの手当に繃帯ほうたいされている病人は、夏の夜の寝苦しさと、傷の激痛にうめきを太く、時折ときおり白い床の上にうつつの身をもがいていた。
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ほんの時折ときおり着る式服なればこそ、服痛などとしゃれて逃げてもおられたのだが、それですら今はあらゆる便法が開かれて、事実は決して統一の効果ががっていない。
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
わたくし時折ときおり種々いろいろなことを妄想もうぞうしますが、往々おうおう幻想まぼろしるのです、或人あるひとたり、またひとこえいたり、音楽おんがくきこえたり、またはやしや、海岸かいがん散歩さんぽしているようにおもわれるときもあります。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
これを栽植さいしょくしたものが時折ときおり神社の庭などにあるのだが、そんな場合、多少実が大きく、小さいコウジの実ぐらいになっているものもあれど、食用果実としてはなんら一顧いっこの価値だもないものである。
植物知識 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
時折ときおりのこの物おもひ
一握の砂 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
かれ発狂者はっきょうしゃらしいところは、始終しじゅうった様子ようすと、へん眼付めつきとをするのほかに、時折ときおりばんになると、ている病院服びょういんふくまえ神経的しんけいてき掻合かきあわせるとおもうと、わぬまでに全身ぜんしんふるわし
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
声音こわねは物やわらかだが顔の怖い吉田忠左衛門、黙ったきりのはざま喜兵衛、時折ときおり、和歌などをんでしめす小野寺十内、それから間瀬久太夫や原惣右衛門などもそこにいて、これは時々、冗談を云う。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
倹約ということを強いられるような時代でなくとも、やはり農家では種々なる食料を取合せて、ふだんの簡単な食事に当てていたのである。それ故に節日せちび時折ときおりは興奮であり、また大きな期待であった。
年中行事覚書 (新字新仮名) / 柳田国男(著)