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せいしん
ふりがな文庫
“
星辰
(
せいしん
)” の例文
天地と云い
山川
(
さんせん
)
と云い
日月
(
じつげつ
)
と云い
星辰
(
せいしん
)
と云うも皆自己の
異名
(
いみょう
)
に過ぎぬ。自己を
措
(
お
)
いて他に研究すべき事項は
誰人
(
たれびと
)
にも
見出
(
みいだ
)
し得ぬ訳だ。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
一本の樹木、山の上の一片の雲の影、牧場の
息吹
(
いぶ
)
き、
星辰
(
せいしん
)
の群がってる騒々しい夜の空……それらを見ても血が湧きたった……。
ジャン・クリストフ:11 第九巻 燃ゆる荊
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
彼はその背後と周囲とに、無限の深さにおいて、権威、正理、判定せられたるもの、合法的良心、重罪公訴など、あらゆる
星辰
(
せいしん
)
を持っていた。
レ・ミゼラブル:04 第一部 ファンテーヌ
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
万物声なくただ動いているのは、二人の影と頭上の
星辰
(
せいしん
)
のみ。と、やや東のほうが白みかけてきたころだった。地平線上にぽつりと見える一点。
人外魔境:10 地軸二万哩
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
空気清澄にして夜ごとに
煌々
(
こうこう
)
たる満天の
星辰
(
せいしん
)
を仰ぎ得たるアラビヤ地方に住みて、ヨブはいかに天を仰いで星を歎美しつつあったことであろう。
ヨブ記講演
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
▼ もっと見る
考えが幾多の
星辰
(
せいしん
)
に及び、宇宙に及んでゆくとはかり知られぬものがある。
畢竟
(
ひっきょう
)
人も草木禽獣魚介の類と共に、宇宙の表れの一つであるに過ぎない。
俳句への道
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
非情の如くに思われる山や川や石や土や日月
星辰
(
せいしん
)
風雨霜雪といえども、実は皆生命を持っている。すなわち宇宙の森羅万象は一切生命を持っている。
神州纐纈城
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
たとえば日月
星辰
(
せいしん
)
は小さく見ゆるがその実は非常に大なるものであるとか、天体は動くように見ゆるがその実は地球が動くのであるというようなことである。
善の研究
(新字新仮名)
/
西田幾多郎
(著)
上は
星辰
(
せいしん
)
の運行から、下は微生物類の生死に至るまで、何一つ知らぬことなく、
深甚微妙
(
しんじんみみょう
)
な計算によって、既往のあらゆる出来事を
溯
(
さかのぼ
)
って知りうるとともに
悟浄出世
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
カントが倫理感の本性を説明して、天にありては輝やく
星辰
(
せいしん
)
、地にありては不易の善意と言ったのは、その語調さながらに、この種の倫理的情操を明示している。
詩の原理
(新字新仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
天體の觀測、わけても
星辰
(
せいしん
)
の運行を測る渾天儀は、幕府の天文方にでも行かなければ、容易に見られる品では無く、こんな場所にあらうとは、想像も出來ないことです。
銭形平次捕物控:283 からくり屋敷
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
天象
(
てんしやう
)
の觀測者は
星辰
(
せいしん
)
の
樞軸
(
すうぢく
)
を求めて、ヘルクレス、ハルキュオオネを見出し又
諸
(
もろ/\
)
の星宿が
頌歌
(旧字旧仮名)
/
ポール・クローデル
(著)
強
(
し
)
いて日月
星辰
(
せいしん
)
というがごとき荘麗にして物遠いところには心を寄せず四季朝夕の尋常の幸福を求め、最も平凡なる不安を避けようとしていた結果、
夙
(
つと
)
に祭を申し謹み仕えたのは
山の人生
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
短い時間には
脈搏
(
みゃくはく
)
が尺度になり、もう少し長い時間の経過は腹の減り方や眠けの催しが知らせる。地下の坑道にいて日月
星辰
(
せいしん
)
は見えなくてもこれでいくぶんの見当はわかるであろう。
映画の世界像
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
八万四千の
眷属
(
けんぞく
)
を
率
(
い
)
て、
蒼海
(
そうかい
)
を踏み、
須弥山
(
しゅみせん
)
を
挟
(
さしはさ
)
み、
気焔
(
きえん
)
万丈
(
ばんじょう
)
虚空を焼きて、
星辰
(
せいしん
)
の光を奪い、
白日闇
(
はくじつあん
)
の毒霧に乗じて、
戟
(
ほこ
)
を
掉
(
ふる
)
い、
斧
(
おの
)
を振い、
一度
(
ひとたび
)
虚空に朝せんか、持国広目ありとというとも
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
蹄
(
ひづめ
)
の
音
(
おと
)
星辰
(
せいしん
)
の
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
そして夜になると、あの巨大なる存在者たる
星辰
(
せいしん
)
をながめた。アンジョーラのごとく、彼は金持ちでひとり息子であった。
レ・ミゼラブル:06 第三部 マリユス
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
夜の大空の野に
煌
(
きら
)
めく
畝
(
うね
)
をつける
星辰
(
せいしん
)
——眼に見えぬ野人の手に扱われる銀の
鋤
(
すき
)
——その平和を汝はもっている。
ジャン・クリストフ:12 第十巻 新しき日
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
外は日月
星辰
(
せいしん
)
の運行より内は人心の機微に至るまで
悉
(
ことごと
)
く神の表現でないものはない、我々はこれらの物の根柢において一々神の霊光を拝することができるのである。
善の研究
(新字新仮名)
/
西田幾多郎
(著)
忽
(
たちま
)
ち暗雲風に開けて雲間に
星辰
(
せいしん
)
の
燦
(
きらめ
)
くを見て、そこに
微
(
かす
)
かなる希望を起すが如き状態である。
ヨブ記講演
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
昔
(
むか
)
し
以太利
(
イタリー
)
の大家アンドレア・デル・サルトが言った事がある。画をかくなら何でも自然その物を写せ。天に
星辰
(
せいしん
)
あり。地に
露華
(
ろか
)
あり。飛ぶに
禽
(
とり
)
あり。走るに
獣
(
けもの
)
あり。池に金魚あり。
枯木
(
こぼく
)
に
寒鴉
(
かんあ
)
あり。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
尤も、日本の昔の天文學は、今日考へたよりは進歩したもので、徳川時代の初期には、月日の
蝕
(
しよく
)
も暦の上で豫言され、學者達は既に地動説も知り、日月
星辰
(
せいしん
)
の運行も、一と通りは觀測して居たのです。
銭形平次捕物控:283 からくり屋敷
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
わが眼には
星辰
(
せいしん
)
雲集し又
無限
(
むげん
)
夜天
(
やてん
)
は
生動
(
せいどう
)
す。
頌歌
(旧字旧仮名)
/
ポール・クローデル
(著)
足下には
耕耘
(
こううん
)
し採集し得るもの、頭上には研究し
瞑想
(
めいそう
)
し得るもの、地上に数株の花と、空にあらゆる
星辰
(
せいしん
)
と。
レ・ミゼラブル:04 第一部 ファンテーヌ
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
無数の小さな魂が、彼のうちで暗々裏に、不可知なしかも確かな定まった一点の方へ、引き寄せられていた。空中で一つの神秘な
淵
(
ふち
)
から吸い寄せられてる
星辰
(
せいしん
)
の世界にも似ていた。
ジャン・クリストフ:05 第三巻 青年
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
愛に
聖
(
きよ
)
められた二つの
脣
(
くちびる
)
が、創造のために相接する時、その得も言えぬ
脣
(
くち
)
づけの上には、
星辰
(
せいしん
)
の
広漠
(
こうばく
)
たる神秘のうちに、必ずや一つの震えが起こるに相違ない。
レ・ミゼラブル:08 第五部 ジャン・ヴァルジャン
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
しかるに今彼はその中をのぞき込んで、
混沌
(
こんとん
)
たる暗黒をのみ予期していたところに、恐れと喜びとの交じった一種の異様な驚きをもって、
星辰
(
せいしん
)
の輝くのを見たのである。
レ・ミゼラブル:06 第三部 マリユス
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
狂言を押しつぶし、無窮なるものを
跪拝
(
きはい
)
すること、それが法則である。創造の木の下にひれ伏し
星辰
(
せいしん
)
に満ちたその広大なる枝葉をうち眺めることのみに、止まらないようにしようではないか。
レ・ミゼラブル:05 第二部 コゼット
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
跪拝
(
きはい
)
の心地で、おのが心の朗らかさと
精気
(
エーテル
)
の朗らかさとを比べて見、暗やみの中で目に見得る
星辰
(
せいしん
)
の輝きと目に見えざる神の光輝とに感動し、未知のものより落ちてくる思いに心をうち開いていた。
レ・ミゼラブル:04 第一部 ファンテーヌ
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
そしてその間
星辰
(
せいしん
)
の広大なるひらめきが無限の空間を満たしている。
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
“星辰”の意味
《名詞》
星辰(せいしん)
(出典:Wiktionary)
星
常用漢字
小2
部首:⽇
9画
辰
漢検準1級
部首:⾠
7画
“星辰”で始まる語句
星辰界