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引据
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ひきす
ふりがな文庫
“
引据
(
ひきす
)” の例文
姉上は
袖
(
そで
)
もてわれを
庇
(
かば
)
ひながら顔を赤うして
遁
(
に
)
げ入りたまひつ。人目なき
処
(
ところ
)
にわれを
引据
(
ひきす
)
ゑつと見るまに取つて
伏
(
ふ
)
せて、打ちたまひぬ。
竜潭譚
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
と取押える
後
(
うしろ
)
から追い
来
(
きた
)
りし蟠龍軒、お町を取って
引据
(
ひきす
)
え、と見ると心の迷いか、小野庄左衞門の娘の顔だちと少しも違いませぬ、心の
中
(
うち
)
に
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
裳
(
もすそ
)
を乱して一旦は倒れたが又
忽
(
たちま
)
ち
跳
(
は
)
ね起きて、
脱兎
(
だっと
)
の如くに表へ逃げ出そうとするのを、𤢖は飛び
蒐
(
かか
)
って又
引据
(
ひきす
)
えた。お葉も
既
(
も
)
う見ては
居
(
い
)
られぬ。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
裸体にされた幾組の男女が、かしこの岩石の上、こなたの熱泉のほとりに
引据
(
ひきす
)
えられている。
牛頭馬頭
(
ごずめず
)
に似た
獄卒
(
ごくそつ
)
が、かれ等に
苛責
(
かしゃく
)
の
鞭
(
しもと
)
を加えている。
雲仙岳
(新字新仮名)
/
菊池幽芳
(著)
あわてた寳屋、疊の上を額で
泳
(
およ
)
ぐやうな恰好になるのを、ガラツ八は襟髮を取つてピタリと
引据
(
ひきす
)
ゑました。
銭形平次捕物控:100 ガラツ八祝言
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
此方
(
こなた
)
は生きたる心地もなく
繁
(
しげ
)
りし草むらの間にもぐり込み、様子
如何
(
いかに
)
と
窺
(
うかがい
)
をり候処、一人の
侍
(
さむらい
)
無理
遣
(
や
)
りに年頃の娘を引連れ参り、
隙
(
すき
)
を見て
逃出
(
にげだ
)
さむとするを草の上に
引据
(
ひきす
)
ゑ
榎物語
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
ぐさと
掴
(
つか
)
んで
疊
(
たゝみ
)
へ
引据
(
ひきす
)
ゑ打やら
擲
(
たゝ
)
くやら
煙管
(
きせる
)
を取て續け
樣
(
さま
)
に
腕
(
うで
)
に任せて打ける程に髮は散々おとろに亂れ
面體
(
めんてい
)
にも聊か疵を受けぬれば千太郎は最早百年目と思ひきり
口惜
(
くちをし
)
や汝ぢ其金を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
金蔵は、持って来た
脇差
(
わきざし
)
を抜いて振りかぶり、大胆にも兵馬をめがけて切ってかかりましたけれど、これは問題にもなんにもなりません、すぐに
刃
(
やいば
)
は打ち落されて、兵馬の小腕に膝の下へ
引据
(
ひきす
)
えられ
大菩薩峠:05 龍神の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
ずるずる
黒繻子
(
くろじゅす
)
の解くるを取って棄て、
引据
(
ひきす
)
え、お沢の両手をもて
犇
(
ひし
)
と
蔽
(
おお
)
う乱れたる胸に、
岸破
(
がば
)
と手を
差入
(
さしいれ
)
る
多神教
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
萬七の側に
引据
(
ひきす
)
ゑられたお靜は、飛付くこともならず涙一杯溜めて、平次の喜び勇む顏を見て居ります。
銭形平次捕物控:024 平次女難
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
その中をどん/\滑る路を
漸々
(
よう/\
)
と登りまして芝原へおやまを
引据
(
ひきす
)
えて、三人で取巻く途端、秋の空の変り
易
(
やす
)
く
忽
(
たちまち
)
に雲は晴れ、
木
(
こ
)
の
間
(
ま
)
を漏れる月影に三人の顔を
睨
(
にら
)
み詰め
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
果は押問答の末無法にも力づくにて金子を
奪
(
うばい
)
取らむと致候間、
掴
(
つか
)
み合の
喧嘩
(
けんか
)
に相なり候処、愚僧はとにかく十五歳までは武術の
稽古
(
けいこ
)
も
一通
(
ひととおり
)
は致候者なれば、遂に得念を下に
引据
(
ひきす
)
ゑ申候。
榎物語
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
雨戸を一枚繰ると、部屋の中に、主人の和助を縛って
引据
(
ひきす
)
えているではありませんか。
銭形平次捕物控:112 狐の嫁入
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
飛上
(
とびあが
)
つては
引据
(
ひきす
)
ゑらるゝやうに、けたゝましく
鳴
(
な
)
いて
落
(
お
)
ちて、また
飛上
(
とびあが
)
る。
間引菜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
雨戸を一枚繰ると、部屋の中に、主人の和助を縛つて
引据
(
ひきす
)
ゑてゐるではありませんか。
銭形平次捕物控:112 狐の嫁入
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
彼
(
かれ
)
は
引据
(
ひきす
)
ゑられるやうに
立
(
た
)
つた。
魔法罎
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
引
常用漢字
小2
部首:⼸
4画
据
常用漢字
中学
部首:⼿
11画
“引”で始まる語句
引
引込
引摺
引返
引張
引掛
引籠
引立
引緊
引出