“ひきす”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
引据78.9%
引居5.3%
引棄5.3%
曳据5.3%
曳棄5.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
と取押えるうしろから追いきたりし蟠龍軒、お町を取って引据ひきすえ、と見ると心の迷いか、小野庄左衞門の娘の顔だちと少しも違いませぬ、心のうち
後の業平文治 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
きはめて引居ひきすゑられたる其折柄をりから越前守殿一通り忠兵衞が妻のお富へ尋ねの有りしうへ相方さうはうの申立かた相違さうゐに依て對決申渡す長庵も毛頭もうとう他出たしゆつは致さぬとのおもむきなり忠兵衞に於ては胡亂なる儀申立ては相濟あひすまんぞ心を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
されば水筋みづすぢゆるむあたり、水仙すゐせんさむく、はなあたゝかかをりしか。かりあとの粟畑あはばたけ山鳥やまどり姿すがたあらはに、引棄ひきすてしまめからさら/\とるをれば、一抹いちまつ紅塵こうぢん手鞠てまりて、かろちまたうへべり。
月令十二態 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
上が身を堅く花嫁の重いほど、乗せた車夫は始末のならぬ容体ようだいなり。妙な処へかじめて、曳据ひきすえるのが、がくりとなって、ぐるぐると磨骨みがきぼねの波を打つ。
露肆 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
表に、御泊りとかいた字の、その影法師のように、町幅のまっただ中とも思う処に、曳棄ひきすてたらしい荷車が一台、屋台を乗せてガタリとある。
陽炎座 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)