小西こにし)” の例文
三宅坂を下りて、参謀本部(旧陸軍の中央統帥機関)の下まで来たとき、彼はふと警視庁にいる小西こにし警部のことを思い出した。
五階の窓:03 合作の三 (新字新仮名) / 森下雨村(著)
「このすずめ、ぼくたちにおくれよ。先生せんせいにあげるのだから、ぼくたち、理科りか時間じかんに、解剖かいぼうをしてもらうんだよ。」と、小西こにしが、こたえました。
眼鏡 (新字新仮名) / 小川未明(著)
当時とうじ江戸えどでは一ばんだという、その笠森かさもり水茶屋みずぢゃやむすめが、どれほどすぐれた縹緻きりょうにもせよ、浪速なにわ天満天神てんまんてんじんの、はしたもと程近ほどちか薬種問屋やくしゅどんや小西こにし」のむすめまれて、なにひとつ不自由ふじゆうらず
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
小西こにしくん、はなってきたから、えておかない。」と、新聞紙しんぶんしつつんだ、草花くさばなわたしました。かおりのするあおはなが、きかけていました。
僕が大きくなるまで (新字新仮名) / 小川未明(著)
にんは、小西こにしのあとについてゆきました。みせつぎでは、小西こにし父親ちちおやらしいひとが、肌脱はだぬぎで、わかおとこ相手あいてにして、将棋しょうぎをさしていました。
眼鏡 (新字新仮名) / 小川未明(著)
きみぼく眼鏡めがねをわったね。」と、あおかおをして、六ねん小西こにしびとめました。みんなは、おどろいて、そのほうました。
眼鏡 (新字新仮名) / 小川未明(著)
しかしなあ小西こにし、おれは、いつもこのたいにいるものは、生死せいしを一つにするとおもっているのだ。そうとしかかんがえられない。
戦友 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ちくぼんだ、はなたかい、小西こにし等兵とうへいと、四かくかおをした、ひげのびている岡田上等兵おかだじょうとうへいは、くさずめはらばいになってはなしをしていました。
戦友 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「さびしくないように、小西こにし時計とけいのねじをいておくぞ。今夜こんや一晩ひとばん、このおとをきいていてくれ……。」
戦友 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「あら、小西こにしのおばあさんだわ。」と、ちいちゃんは、をまるくしました。
鳥鳴く朝のちい子ちゃん (新字新仮名) / 小川未明(著)
小西こにしのおばあさんは、つんぼで、ひとのいうことが、よくきこえぬのです。だから、自分じぶんも、おおきなこえして、なんともおもわなければ、また、みんなに迷惑めいわくをかけることもわからないのでした。
鳥鳴く朝のちい子ちゃん (新字新仮名) / 小川未明(著)