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よこ
ふりがな文庫
“
寄来
(
よこ
)” の例文
「信じないのね、いいわ。必要ならその女から来た手紙を見せてあげます、その女が兄さんの子供を生んだとき
寄来
(
よこ
)
した手紙を——」
豹
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
そこでそれ、お前達が人に
誉
(
ほ
)
められるために
私等
(
わっちら
)
に税金をお出しなされる。今日はそれを取上げに来やした。
志
(
こころ
)
ありだけ
寄来
(
よこ
)
さっせえ。
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「さあ、首を渡せ。大事な証文も取上げて了つたな、大事な靴も取つたな。
靴盗坊
(
くつどろぼう
)
、
大騙
(
おほかたり
)
! 首を
寄来
(
よこ
)
せ」
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
もっとも私のところへ取りに
寄来
(
よこ
)
した薬と云うのが凡て主人の使うもので、それが皆一種の解熱剤であるのを見ても、
大分
(
だいぶん
)
無理な夜更しでもするらしいのは判っていたのだが
死の快走船
(新字新仮名)
/
大阪圭吉
(著)
家を持つて間のない道助夫妻が何かしら退屈を感じ出して、小犬でも飼つて見たらなどと考へてる頃だつた、遠野がお祝ひにと云つて
喙
(
くちばし
)
の紅い小鳥を使ひの者に持たせて
寄来
(
よこ
)
してくれた。
静物
(新字旧仮名)
/
十一谷義三郎
(著)
▼ もっと見る
木霊
(
こだま
)
のように、返事を
寄来
(
よこ
)
すのだった、彼もたしかに寂しいには違いない、彼も決して悪い男ではない、ただ、世の人との交際の術を全然持ち合せていないのだ——と、私は思っていた。
蝕眠譜
(新字新仮名)
/
蘭郁二郎
(著)
虫の啼く、
粗壁
(
あらかべ
)
の出た、今一軒の家には老夫婦が住んでいた。
爺
(
じじい
)
は
老耄
(
ろうもう
)
して、
媼
(
ばばあ
)
は頭が真白であった。一人の息子が、町の時計屋に奉公していて、毎月、少しばかりの金を送って
寄来
(
よこ
)
した。
僧
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「今日まで
内証
(
ないしょう
)
にしていたんですが、実は四五日まえから脅迫状を
寄来
(
よこ
)
す奴がいるんです。初めは誰かの
悪戯
(
いたずら
)
だと思ってたんですが」
海浜荘の殺人
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「そこでの、黒瀬の
婆様
(
ばあさん
)
を葬ってやろうと思って用意をしたお棺はね、ちと道具に
使用処
(
つかひどころ
)
がある、後でここへ持たしてお
寄来
(
よこ
)
し。」
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
又お前もどの顔で逢ふ
意
(
つもり
)
か。
先達而
(
せんだつて
)
から
頻
(
しきり
)
に手紙を
寄来
(
よこ
)
すが、あれは一通でも開封したのは無い、来れば
直
(
すぐ
)
に焼棄てて了ふのだから、以来は断じて寄来さんやうに。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
何かあったのだ、川本が無電をかけて
寄来
(
よこ
)
した時と同じように、自分たちが流血船へ行っている後で、何か怪事が
持上
(
もちあが
)
ったのだ。怪事……そうだ、海坊主の——。
流血船西へ行く
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
そうそう、芳ちゃん、まだその
前
(
さき
)
にね、旦那がさ、東京へ行って三月めから、毎月々々一枚ずつ、月の
朔日
(
ついたち
)
にはきっと写真を写してね、欠かさず私に送って
寄来
(
よこ
)
すんだよ。
化銀杏
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
お前が得心せんものなら、
此地
(
ここ
)
へ来るに就いて僕に
一言
(
いちごん
)
も言はんと云ふ法は無からう。家を出るのが突然で、その暇が無かつたなら、後から手紙を
寄来
(
よこ
)
すが可いぢやないか。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
「そりゃ、
真実
(
ほんとう
)
に僕を可愛がってくれたッちゃあないよ。今着ている
衣服
(
きもの
)
なんか、台なしになってるけれど、姉様がわざと縫って
寄来
(
よこ
)
したもんだから、大事にして着ているんだ。」
化銀杏
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
すると
金港堂
(
きんかうどう
)
一
件
(
けん
)
の話が有つて、
硯友社
(
けんいうしや
)
との関係を
絶
(
た
)
ちたいやうな
口吻
(
くちぶり
)
、
其
(
それ
)
は
宜
(
よろし
)
いけれど、
文庫
(
ぶんこ
)
に
連載
(
れんさい
)
してある小説の
続稿
(
ぞくかう
)
だけは送つてもらひたいと
頼
(
たの
)
んだ、
承諾
(
しようだく
)
した、
然
(
しか
)
るに
一向
(
いつかう
)
寄来
(
よこ
)
さん
硯友社の沿革
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
「母の話では、新しいシャツやズボン下を持たせて
寄来
(
よこ
)
したと云うんです。片町の村上という友達の家へ
問合
(
といあわ
)
せたら、六時頃に出たそうですから、どんなに遅くとも来ない筈はないと思います」
亡霊ホテル
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「老子爵と
貴女
(
あなた
)
を殺して
了
(
しま
)
うという脅迫状を
寄来
(
よこ
)
した者があるんです」
海浜荘の殺人
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
其内
(
そのうち
)
に
金港堂
(
きんこうどう
)
に
云々
(
しか/″\
)
の計画が有ると
云
(
い
)
ふ事が耳に
入
(
い
)
つた、
其前
(
そのぜん
)
から
達筆
(
たつぴつ
)
の
山田
(
やまだ
)
が思ふやうに
原稿
(
げんかう
)
を
寄来
(
よこ
)
さんと
云
(
い
)
ふ
怪
(
あやし
)
むべき事実が有つたので、
這
(
こ
)
は
捨置
(
すてお
)
き
難
(
がた
)
しと
石橋
(
いしばし
)
と
私
(
わたし
)
とで
山田
(
やまだ
)
に
逢
(
あひ
)
に
行
(
ゆ
)
きました
硯友社の沿革
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
寄
常用漢字
小5
部首:⼧
11画
来
常用漢字
小2
部首:⽊
7画
“寄”で始まる語句
寄
寄席
寄越
寄合
寄手
寄寓
寄生木
寄付
寄人
寄進