夢枕ゆめまくら)” の例文
彼女は毎夜、父の亡霊が顔のまん中をおさえながら夢枕ゆめまくらに現れて、「鼻が欲しい、———鼻を返してくれ」と云い続ける声を聞いた。
うしたときにはまたみょう不思議ふしぎ現象ことかさなるものとえまして、わたくし姿すがたがそのみぎ漁師りょうしつま夢枕ゆめまくらったのだそうでございます。
「知っているとも。八幡様が夢枕ゆめまくらに立ったから、此方の若い衆が直ぐ行って、手前の方のまで序にさらって来たんだ。東引佐ひがしいなさ後生ごしょうが好い。自分で拵えた贋物をまつっているんだ」
ある温泉の由来 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
で、……かたごと禿頭はげあたまが、蚊帳かや北向きたむきにでもると、けてそれ平屋ひらやであるため、二人ふたり丁度ちやうど夢枕ゆめまくらつて、たかところで、くもなかことばはしてるやうなかたちるから。……
浅茅生 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
そこで娘は目がさめるとすぐにこれこれこうこうと母親に話しましたので、さては猿沢の池の竜が夢枕ゆめまくらに立ったのだと、たちまちまたそれが町中のおお評判になったではございませんか。
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
わしは、このがいよいよますのをち、服装ふくそうなどもすぐに御国みくにりのきよらかなものにあらためさせ、そしてその姿すがた地上ちじょう両親りょうしん夢枕ゆめまくらたせ、自分じぶんかみさまにつかえているであるから
小櫻姫こざくらひめはたしかに三浦みうら土地とち守護神様まもりがみさまだ。三浦みうら土地とち今度こんど不思議ふしぎにもたすかったのはみな小櫻姫こざくらひめのおかげだ。げん小櫻姫こざくらひめのお姿すがた誰某なにがし夢枕ゆめまくらったということだ……。難有ありがたいことではないか……。